01 医療計画作成の趣旨


[通知] 医療計画について

第1 医療計画作成の趣旨

我が国の医療提供体制については、国民の健康を確保し、国民が安心して生活を送るための重要な基盤となっている。一方で、高齢化の進行や医療技術の進歩、国民の意識の変化など、医療を取り巻く環境が大きく変わる中、誰もが安心して医療を受けることができる環境の整備が求められている。
特に、人口の急速な高齢化や社会構造の多様化・複雑化が進む中、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病及び精神疾患の5疾病については、生活の質の向上を実現するため、患者数の増加の状況も踏まえつつ、これらに対応した医療提供体制の構築が求められている。
さらには、地域医療の確保において重要な課題となる救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療及び小児医療(小児救急を含む。)の5事業(以下「5事業」という。)及び在宅医療についても、これらに対応した医療提供体制の構築により、患者や住民が安心して医療を受けられるようにすることが求められている。
5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれについて、地域の医療機能の適切な分化・連携を進め、切れ目ない医療が受けられる効率的で質の高い医療提供体制を地域ごとに構築するためには、医療計画における政策循環の仕組みを一層強化することが重要となる。
具体的には、地域の医療提供体制に関する調査を通じて把握した現状に基づき、目指すべき方向の各事項を踏まえて、課題を抽出し、課題の解決に向けた数値目標の設定及び施策の明示、それらの進捗状況の評価等を実施する。その際には、個々の施策が数値目標の改善にどれだけの効果をもたらしているか、また、目指すべき方向の各事項に関連づけられた施策群が全体として効果を発揮しているかという観点も踏まえ、個々の施策や数値目標並びに目指すべき方向への達成状況の評価を行い、その評価結果を踏まえ、必要に応じて医療計画の見直しを行う仕組みを、政策循環の中に組み込んでいくことが必要となる。
都道府県には、5疾病・5事業及び在宅医療について、それぞれに求められる医療機能を明確にした上で、地域の医療関係者等の協力の下に、医療連携体制を構築するとともに、それをわかりやすく示すことにより、患者や住民が地域の医療機関ごとの機能分担の現状を理解し、病期に適した質の高い医療を受けられる体制を整備することが求められている。
なお、医療計画の作成に際して、医療や行政の関係者に加え、患者(家族を含む。以下同じ。)や住民が医療の現状について共通の認識を持ち、課題の解決に向け、一体となって協議・検討を行うことは今後の医療の進展に大きな意義を有するものである。このため、都道府県は、患者・住民の作業部会等への参加やタウンミーティングの開催、患者・住民へのヒアリングやアンケート調査、医療計画のパブリックコメントなどにより、患者・住民の意見を反映させること。