03 手順


[通知] 疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について

第3 手順

1 情報の収集
都道府県は、医療体制を構築するに当たって、患者動向、医療資源及び医療連携に関する情報等を収集し、現状を把握する必要がある。
これらの情報には、次に掲げる既存の統計・調査から得られる情報のほか、関係団体や住民に対するアンケ-ト調査やヒアリング等で得られる情報がある。
なお、医療提供体制等に関する情報のうち経年的あるいは医療圏間での比較・評価等が可能で、数値で把握できる情報に関して、公的統計等により全都道府県で入手可能な指標(必須指標)、独自調査やデ-タの解析等により入手可能な指標(推奨指標)として、5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれの指針の別表において示されたものについては、原則として医療計画に記載する。また、5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれの指針の別表に掲げる指標例を参考に、病期・医療機能及びストラクチャ-・プロセス・アウトカムの要素も加味して、指標間相互の関連性も含めて、地域の医療提供体制の現状を客観的に把握する。
既存の統計・調査等のみでは現状把握ができない場合、積極的に新たな調査を行うことが重要である。
(1) 人口動態統計
(2) 国民生活基礎調査
(3) 患者調査
(4) 国民健康・栄養調査
(5) 衛生行政報告例
(6) 介護保険事業状況報告調査
(7) 医療施設調査
(8) 病院報告
(9) 医師・歯科医師・薬剤師調査
(10) 地域保健・健康増進事業報告
(11) 介護サ-ビス施設・事業所調査
(12) 介護給付費実態調査

2 協議の場の設置
都道府県は、医療審議会もしくは医療対策協議会の下に、5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれに係る医療体制を構築するため、5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれについて協議する場(以下「作業部会」という。)を設置する。必要によっては、さらに、圏域ごとに関係者が具体的な連携等について協議する場(以下「圏域連携会議」という。)を設置する。
協議に際しては、数値目標の設定やそれを達成するための施策の実施の結果、地域格差が生じたり、患者・住民が不利益を被ることのないよう配慮する。
なお、作業部会と圏域連携会議は、緊密に連携しながら協議を進めることが重要である。
(1) 作業部会
① 構成
作業部会は、地域の実情に応じた医療体制を構築するため、例えば次に掲げる者を代表する者により構成する。
ア 地域医師会等の医療関係団体
イ 医師、歯科医師、薬剤師、看護師など現に診療に従事する者
ウ 介護保険法(平成9年法律第123号)に規定するサ-ビス事業者
エ 医療保険者
オ 医療・介護サ-ビスを受ける患者・住民
カ 保健・医療・福祉サ-ビスを担う都道府県・市町村
キ 学識経験者
ク その他、各疾病及び事業において重要な役割を担う者
② 内容
作業部会は、下記の事項について協議する。
ア 地域の医療資源の把握
「1 情報の収集」において把握した医療資源・医療連携に関する情報から、地域において各医療機能の要件を満たす医療機関を確認する。
また、患者動向等も加味して、地域において不足している医療機能あるいは調整・整理が必要な医療機能を明確にする。特に5疾病については、まずは二次医療圏を基礎として医療資源を把握する。
イ 圏域の設定
上記アに基づき、圏域を検討・設定する。この場合、5疾病・5事業及び在宅医療に特有の重要事項に基づき、従来の二次医療圏にこだわらず、地域の医療資源等の実情に応じて弾力的に設定する。
ウ 課題の抽出
上記アにより把握した現状を分析し、求められる医療機能とその連携体制など、目指すべき方向を踏まえ、地域の医療提供体制の課題を抽出する。その際、現状分析に用いたストラクチャ-、プロセス、アウトカム指標の関連性も考慮し、病期・医療機能による分類も踏まえ、可能な限り医療圏ごとに課題を抽出する。
エ 数値目標の設定
抽出した課題をもとに、事後に定量的な比較評価が行えるよう、地域の実情に応じた数値目標、目標達成に要する期間を定める。
数値目標の設定に当たっては、各指標の全国デ-タ等を参考にするとともに、基本方針第7に掲げる諸計画等に定められた目標等も勘案するものとする。なお、達成可能なものだけを目標とするのではなく、真に医療圏の課題を解決するために必要な目標を設定する。
オ 施策
課題に対応した数値目標の達成のために行う具体的な施策を盛り込んだ計画を策定する。
(2) 圏域連携会議
圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。
その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サ-ビス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。
① 構成
各医療機能を担う全ての関係者
② 内容
下記のアからウについて、関係者全てが認識・情報を共有した上で、各医療機能を担う医療機関を決定する。
ア 医療連携の必要性について認識の共有
イ 医療機関等に係る人員、施設設備及び診療機能に関する情報の共有
ウ 当該疾病及び事業に関する最新の知識・診療技術に関する情報の共有
なお、状況に応じて、地域連携クリティカルパス導入に関する検討を行う。

3 患者・住民の意見の反映
都道府県は、患者・住民の作業部会への参加やタウンミ-ティングの開催、患者・住民へのヒアリングやアンケ-ト調査、医療計画のパブリックコメントなどにより、患者・住民の意見を反映させること。

4 医療計画への記載
都道府県は、前記第3の2に示すとおり、医療機能ごとに医療機関等に求められる事項、数値目標等について検討し、医療計画に記載する。
また、原則として、各医療機能を担う医療機関等の名称も記載するものとする。
なお、地域によっては、医療資源の制約等によりひとつの医療機関が複数の機能を担うこともあり得る。
さらに、医療機関等の名称については、例えば圏域内に著しく多数の医療機関等が存在する場合にあっては、地域の実情に応じて記載することで差し支えないが、住民に分かりやすい周知に努めるものとする。

5 変更が生じた場合の措置
医療計画策定後、医療機能を担う医療機関の変更が生じた場合は、できるだけ速やかに記載内容を変更する必要がある。
この場合、医療審議会の議をその都度経なくてもすむように、変更に伴う手続きをあらかじめ定めておく必要がある。