1-3 急性心筋梗塞の医療体制構築に係る指針


[通知] 疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について

急性心筋梗塞の医療体制構築に係る指針

心筋梗塞を発症した場合、まず急性期には内科的・外科的治療が行われ、同時に再発予防や在宅復帰を目指して心臓リハビリテ-ションが開始される。その際、自覚症状が出現してから治療が開始されるまでの時間によって治療法や予後が大きく変わる。
また、在宅復帰後は、基礎疾患や危険因子の管理など、継続した治療や長期の医療が必要となる。
急性心筋梗塞の医療提供体制を構築するにあたっては、それぞれの医療機関が相互に連携しながら、多方面から継続して医療を提供することが必要である。
本指針では、「第1 急性心筋梗塞の現状」で急性心筋梗塞の発症・転帰がどのようなものであるのか、どのような医療が行われているのかを概観し、次に「第2 医療とその連携」でどのような医療体制を構築すべきかを示している。
都道府県は、これらを踏まえつつ、「第3 構築の具体的な手順」に則して、地域の現状を把握・分析し、また各病期に求められる医療機能を理解した上で、地域の実情に応じて圏域を設定し、その圏域ごとの医療機関とさらにそれらの医療機関相互の連携の検討を行い、最終的には都道府県全体で評価まで行えるようにする。


第1 急性心筋梗塞の現状
急性心筋梗塞は、冠動脈の閉塞等によって心筋への血流が阻害され、心筋が壊死し心臓機能の低下が起きる疾患であり、心電図上の所見によりST上昇型心筋梗塞と非ST上昇型心筋梗塞に大別される。
急性心筋梗塞発症直後の医療(急性期の医療)は、ST上昇型心筋梗塞と非ST上昇型心筋梗塞で異なるところもあるが、求められる医療機能は共通するものが多いことから、本指針においては一括して記載することとする。

1 急性心筋梗塞の疫学
1年間に救急車で搬送される急病の約9.1%、約28.1万人が心疾患等である1。
また、虚血性心疾患(狭心症及び心筋梗塞)の継続的な医療を受けている患者数は約81万人と推計される2。
さらに、年間約19万人が心疾患を原因として死亡し、死亡数全体の15.8%を占め、死亡順位の第2位である。このうち、急性心筋梗塞による死亡数は心疾患死亡数全体の約22.5%、約4.3万人である3。
急性心筋梗塞の救命率改善のためには、発症直後の救急要請、発症現場での心肺蘇生や自動体外式除細動器(AED)等による電気的除細動の実施、その後の医療機関での救命処置が迅速に連携して実施されることが重要である。
また、急性心筋梗塞発症当日から数週間以内に発症する可能性のある不整脈、ポンプ失調、心破裂等の合併症に対する処置が適切に行われることも重要である。

2 急性心筋梗塞の医療
(1) 予防
急性心筋梗塞の危険因子は、高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病、メタボリックシンドロ-ム、ストレスなどであり、発症の予防には生活習慣の改善や適切な治療が重要である。
(2) 発症直後の救護、搬送等
急性心筋梗塞を疑うような症状が出現した場合、本人や家族等周囲にいる者は速やかに救急要請を行う。
また、急性心筋梗塞発症直後に病院外で心肺停止状態となった場合、周囲にいる者や救急救命士等による心肺蘇生の実施及びAEDの使用により、救命率の改善が見込まれる。
住民による心肺機能停止傷病者への応急手当は約43%に実施されており1、AEDは全国に約33万台普及している状況である4。
(3) 診断
問診や身体所見の診察に加えて、心電図検査、血液生化学検査、X線検査や心エコ-検査等の画像診断、冠動脈造影検査(心臓カテ-テル検査)等を行うことで正確な診断が可能になる。
特にST上昇型心筋梗塞の場合、診断と治療とを一体的に実施できる冠動脈造影検査を、発症後速やかに実施することが重要である。
非ST上昇型心筋梗塞では至適な薬物療法を行いつつ必要に応じて早期に冠動脈造影を行う。
また、診断の過程において、不整脈、ポンプ失調、心破裂等の生命予後に関わる合併症について確認することも重要である。
(4) 急性期の治療
急性心筋梗塞の急性期には、循環管理、呼吸管理等の全身管理とともに、ST上昇型心筋梗塞、非ST上昇型心筋梗塞等の個々の病態に応じた治療が行われる。
また、心臓の負荷を軽減させるために苦痛と不安の除去も行われる。
① ST上昇型心筋梗塞の治療は、血栓溶解療法や冠動脈造影検査及びそれに続く経皮的冠動脈形成術(PCI)により、阻害された心筋への血流を再疎通させる療法が主体である。特に発症から血行再建までの時間が短いほど有効性が高く、発症後1時間以内に治療を開始した場合に最も死亡率が低い1。また、合併症等によっては冠動脈バイパス術(CABG)等の外科的治療が第一選択となることもある。
② 非ST上昇型心筋梗塞の急性期の治療は、薬物治療に加えて、必要に応じて早期に冠動脈造影検査を行い、適応に応じてPCI、CABGを行う。
(5) 心臓リハビリテ-ション
心臓リハビリテ-ションは、合併症や再発の予防、早期の在宅復帰及び社会復帰を目的に、発症した日から患者の状態に応じ、運動療法、食事療法等を実施する。
また、トレッドミルや自転車エルゴメ-タ-を用いて運動耐容能を評価した上で、運動処方を作成し、徐々に負荷を掛けることで不整脈やポンプ失調等の合併症を防ぎつつ、身体的、精神・心理的、社会的に最も適切な状態に改善することを目的とする包括的あるいは多要素リハビリテ-ションを実施する。
喪失機能(心機能)の回復だけではなく再発予防、リスク管理などの多要素の改善に焦点があてられている点が、脳卒中等のリハビリテ-ションとは異なる。
(6) 急性期以後の医療
急性期を脱した後は、不整脈、ポンプ失調等の治療やそれらの合併症予防、再発予防、心臓リハビリテ-ション、基礎疾患や危険因子(高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病等)の継続的な管理が行われる。
また、患者の周囲にいる者に対する再発時における適切な対応についての教育等も重要である。


第2 医療機関とその連携

1 目指すべき方向
前記「第1 急性心筋梗塞の現状」を踏まえ、個々の医療機能、それを満たす医療機関さらにそれら医療機関相互の連携により、医療が継続して実施される体制を構築する。
(1) 発症後、速やかな救命処置の実施と搬送が可能な体制
① 周囲の者による速やかな救急要請及び心肺蘇生法の実施
② 専門的な診療が可能な医療機関への迅速な搬送
(2) 発症後、速やかな専門的診療が可能な体制
① 医療機関到着後30分以内の専門的な治療の開始
(3) 合併症予防や在宅復帰を目的とした心臓リハビリテ-ションが可能な体制
① 合併症や再発の予防、在宅復帰のための心臓リハビリテ-ションの実施
② 運動耐容能などに基づいた運動処方により合併症を防ぎつつ、運動療法のみならず包括的あるいは多要素リハビリテ-ションを実施
(4) 在宅療養が可能な体制
① 合併症や再発を予防するための治療、基礎疾患や危険因子の管理の実施
② 再発予防のための定期的専門的検査の実施

2 各医療機能と連携
前記「1 目指すべき方向」を踏まえ、急性心筋梗塞の医療体制に求められる医療機能を下記(1)から(5)に示す。
都道府県は、各医療機能の内容(目標、医療機関等に求められる事項等)について、地域の実情に応じて柔軟に設定する。
(1) 発症予防の機能【予防】
① 目標
・ 急性心筋梗塞の発症を予防すること
② 医療機関に求められる事項
次に掲げる事項を含め、該当する医療機関は関係する診療ガイドラインに則した診療を実施していることが求められる。
・ 高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病等の危険因子の管理が可能であること
・ 初期症状出現時における対応について、本人及び家族等患者の周囲にいる者に対する教育、啓発を実施すること
・ 初期症状出現時に、急性期医療を担う医療機関への受診勧奨について指示すること
(2) 応急手当・病院前救護の機能【救護】
① 目標
・ 急性心筋梗塞の疑われる患者が、できるだけ早期に専門的な診療が可能な医療機関に到着できること
② 関係者に求められる事項
(家族等周囲にいる者)
・ 発症後速やかに救急要請を行うこと
・ 心肺停止が疑われる者に対して、AEDの使用を含めた救急蘇生法等適切な処置を実施すること
(救急救命士を含む救急隊員)
・ 地域メディカルコントロ-ル協議会によるプロトコ-ル(活動基準)に則し、薬剤投与等の特定行為を含めた救急蘇生法等適切な観察・判断・処置を実施すること
・ 急性期医療を担う医療機関へ速やかに搬送すること
(3) 救急医療の機能【急性期】
① 目標
・ 患者の来院後速やかに初期治療を開始するとともに、30分以内に専門的な治療を開始すること
・ 合併症や再発の予防、在宅復帰のための心臓リハビリテ-ションを実施すること
・ 再発予防の定期的専門的検査を実施すること
② 医療機関に求められる事項
次に掲げる事項を含め、該当する医療機関は関係する診療ガイドラインに則した診療を実施していることが求められる。
・ 心電図検査、血液生化学検査、心臓超音波検査、X線検査、CT検査、心臓カテ-テル検査、機械的補助循環装置等必要な検査および処置が24時間対応可能であること
・ 急性心筋梗塞が疑われる患者について、専門的な診療を行う医師等が24時間対応可能であること
・ ST上昇型心筋梗塞の場合、90分以内に冠動脈造影検査および適応があればPCIの開始が可能であること
・ 呼吸管理、疼痛管理等の全身管理や、ポンプ失調、心破裂等の合併症治療が可能であること
・ 冠動脈バイパス術等の外科的治療が可能であることが望ましい
・ 電気的除細動、機械的補助循環装置、緊急ペ-シングへの対応が可能であること
・ 運動耐容能などに基づいた運動処方により合併症を防ぎつつ、運動療法のみならず包括的あるいは多要素リハビリテ-ションを実施可能であること
・ 抑うつ状態等の対応が可能であること
・ 回復期(あるいは在宅医療)の医療機関と診療情報や治療計画を共有する等して連携していること、またその一環として再発予防の定期的専門的検査を実施すること
③ 医療機関の例
・ 救命救急センタ-を有する病院
・ CCU等を有する病院
・ 急性心筋梗塞に対する急性期医療を担う病院又は有床診療所
(4) 身体機能を回復させる心臓リハビリテ-ションを実施する機能【回復期】
① 目標
・ 再発予防の治療や基礎疾患・危険因子の管理を実施すること
・ 合併症や再発の予防、在宅復帰のための心臓リハビリテ-ションを入院又は通院により実施すること
・ 在宅等生活の場への復帰を支援すること
・ 患者に対し、再発予防などに関し必要な知識を教えること
② 医療機関に求められる事項
次に掲げる事項を含め、該当する医療機関は関係する診療ガイドラインに則した診療を実施していることが求められる。
・ 再発予防の治療や基礎疾患・危険因子の管理、抑うつ状態等の対応等が可能であること
・ 心電図検査、電気的除細動等急性増悪時の対応が可能であること
・ 合併症併発時や再発時に緊急の内科的・外科的治療が可能な医療機関と連携していること
・ 運動耐容能を評価の上で、運動療法、食事療法等の心臓リハビリテ-ションが実施可能であること
・ 急性心筋梗塞の再発や重症不整脈などの発生時における対応法について、患者及び家族への教育を行っていること
・ 急性期の医療機関及び二次予防の医療機関と診療情報や治療計画を共有する等して連携していること
③ 医療機関の例
・ 内科及びリハビリテ-ション科を有する病院又は診療所
(5) 再発予防の機能【再発予防】
① 目標
・ 再発予防の治療や基礎疾患・危険因子の管理を実施すること
・ 在宅療養を継続できるよう支援すること
② 医療機関に求められる事項
次に掲げる事項を含め、該当する医療機関は関係する診療ガイドラインに則した診療を実施していることが求められる。
・ 再発予防のための治療や基礎疾患・危険因子の管理、抑うつ状態への対応が可能であること
・ 緊急時の除細動等急性増悪時への対応が可能であること
・ 合併症併発時や再発時に緊急の内科的・外科的治療が可能な医療機関と連携していること
・ 急性期の医療機関や介護保険サ-ビス事業所等と再発予防の定期的専門的検査、合併症併発時や再発時の対応を含めた診療情報や治療計画を共有する等して連携していること
・ 在宅でのリハビリ、再発予防のための管理を医療機関と訪問看護ステ-ション・薬局が連携し実施出来ること
③ 医療機関の例
・ 病院又は診療所


第3 構築の具体的な手順

1 現状の把握
都道府県は、急性心筋梗塞の医療体制を構築するに当たって、(1)(2)に示す項目を参考に、患者動向、医療資源及び医療連携等について、現状を把握する。
さらに、(3)に示す、病期・医療機能ごとおよびストラクチャ-・プロセス・アウトカムごとに分類された指標例により、数値で客観的に現状を把握する。
なお、(1)~(3)の各項目について、参考として調査名を示しているが、その他必要に応じて調査を追加されたい。
(1) 患者動向に関する情報
・年齢調整受療率(患者調査)
・ 健康診断・健康診査の受診率(国民生活基礎調査)
・ 高血圧性疾患患者、脂質異常症患者、糖尿病患者の年齢調整外来受療率(患者調査)、喫煙率(国民生活基礎調査)
・ 総患者数及びその内訳(性・年齢階級別、傷病小分類別)、患者流入割合、流出割合(患者調査)
・ 退院患者平均在院日数(患者調査)
・ 在宅等生活の場に復帰した患者の割合(患者調査)
・年齢調整死亡率(都道府県別年齢調整死亡率(業務・加工統計))
(2) 医療資源・連携等に関する情報
① 救急搬送
・ 救急搬送件数(直接搬送割合、転院搬送割合)
・ 搬送先医療機関
・ 発症から受診までに要した平均時間
・ 救急要請(覚知)から医療機関への収容までに要した平均時間
・ 医療機関収容までに心停止していた患者の割合
・ 心肺停止が疑われる者に対して現場に居合わせた者により救急蘇生法を実施した割合
・ 心肺停止を目撃してから除細動(AED)までの時間
② 医療機関等
ア 救命救急センタ-、CCU等を有する病院
・ 検査、治療体制(人員・施設設備、夜間休日の体制)
・ 実施可能な治療法、リハビリテ-ション
・ 患者来院後、血栓溶解療法または心臓カテ-テル検査を開始するまでに要する時間(来院後90分以内に治療を開始できた割合)
・ 連携の状況(他の医療機関との診療情報や治療計画の共有の状況、医療連携室の稼働状況等)
イ 回復期のリハビリテ-ションを行う病院・診療所
・ 検査、治療体制(人員・施設設備)
・ 実施可能な急性心筋梗塞の治療法、リハビリテ-ション
・ 連携の状況(他の医療機関との診療情報や治療計画の共有の状況、医療連携室の稼働状況等)
(3) 指標による現状把握
別表3に掲げるような、病期・医療機能ごと及びストラクチャ-・プロセス・アウトカムごとに分類された指標例により、地域の医療提供体制の現状を客観的に把握し、医療計画に記載する。その際、公的統計等により全都道府県で入手可能な指標(必須指標)と、独自調査やデ-タ解析等により入手可能な指標(推奨指標)に留意して、把握すること。

2 圏域の設定
(1) 都道府県は、急性心筋梗塞の医療体制を構築するに当たって、「第2 医療機関とその連携」を基に、前記「1 現状の把握」で収集した情報を分析し、各病期に求められる医療機能を明確にして、圏域を設定する。
(2) 医療機能を明確化するに当たって、地域によっては、医療資源の制約等によりひとつの施設が複数の機能を担うこともあり得る。逆に、圏域内に機能を担う施設が存在しない場合には、圏域の再設定を行うこともあり得る。
(3) 圏域を設定するに当たって、急性心筋梗塞は、自覚症状が出現してから治療が開始されるまでの時間によって予後が大きく変わることを勘案し、住民ができる限り公平に医療を享受できるよう、従来の二次医療圏にこだわらず、メディカルコントロ-ル体制のもと実施されている搬送体制の状況等、地域の医療資源等の実情に応じて弾力的に設定する。
(4) 検討を行う場合は、地域医師会等の医療関係団体、現に急性心筋梗塞の診療に従事する者、消防機関、住民・患者、市町村等の各代表が参画する。

3 連携の検討
(1) 都道府県は、急性心筋梗塞の医療体制を構築するに当たって、予防から救護、急性期、回復期、再発予防まで継続して医療が行われるよう、また、関係機関の信頼関係が醸成されるよう配慮する。
また、医療機関、消防機関、地域医師会等の関係者は、診療技術や知識の共有、診療情報の共有、連携する医療機関・医師等専門職種の情報の共有に努める。
(2) 保健所は、「地域保健法第4条第1項の規定に基づく地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(平成6年厚生省告示第374号)の規定に基づき、また、「医療計画の作成及び推進における保健所の役割について」(平成19年7月20日付け健総発第0720001号健康局総務課長通知)を参考に、医療連携の円滑な実施に向けて、地域医師会等と連携して医療機関相互の調整を行うなど、積極的な役割を果たすこと。
(3) 医療計画には、原則として、各医療機能を担う医療機関等の名称を記載する。
なお、地域によっては、医療資源の制約等によりひとつの医療機関が複数の機能を担うこともある。
さらに、医療機関等の名称については、例えば医療連携体制の中で各医療機能を担う医療機関等が圏域内に著しく多数存在する場合にあっては、地域の実情に応じて記載することで差し支えないが、住民に分かりやすい周知に努めるものとする。

4 課題の抽出
都道府県は、「第2 医療機関とその連携」を踏まえ、「1 現状の把握」で収集した情報や指標により把握した数値から明確となった現状について分析を行い、地域の急性心筋梗塞の医療体制の課題を抽出し、医療計画に記載する。
その際、現状分析に用いたストラクチャ-・プロセス・アウトカム指標の関連性も考慮し、病期・医療機能による分類も踏まえ、可能な限り医療圏ごとに課題を抽出する。

5 数値目標
都道府県は、急性心筋梗塞の良質かつ適切な医療を提供する体制について、事後に定量的な比較評価を行えるよう、「4 課題の抽出」で明確にした課題に対して、地域の実情に応じた目標項目やその数値目標、目標達成に要する期間を設定し、医療計画に記載する。
数値目標の設定に当たっては、各指標の全国デ-タ等を参考にするとともに、基本方針第7に掲げる諸計画に定められる目標を勘案するものとする。
なお、達成可能なものだけを目標とするのではなく、真に医療圏の課題を解決するために必要な目標を設定することとする。

6 施策
数値目標の達成には、課題に応じた施策を実施することが重要である。都道府県は、「4 課題の抽出」に対応するよう「5 数値目標」で設定した目標を達成するために行う施策について、医療計画に記載する。

7 評価
計画の実効性を高めるためには、評価を行い、必要に応じて計画の内容を見直すことが重要である。都道府県は、あらかじめ評価を行う体制を整え、医療計画の評価を行う組織や時期を医療計画に記載する。この際、少なくとも施策の進捗状況の評価については、1年ごとに行うことが望ましい。また、数値目標の達成状況、現状把握に用いた指標の状況について、少なくとも5年ごとに調査、分析及び評価を行い、必要があるときは、都道府県はその医療計画を変更することとする。
さらに、医療の質について客観的な評価を行うために、症例登録等を行うことが今後必要である。

8 公表
都道府県は、住民に分かりやすい形で医療計画を公表し、医療計画やその進捗状況を周知する必要がある。このため、指標による現状把握、目標項目、数値目標、施策やその進捗状況、評価体制や評価結果を公表する。その際、広く住民に周知を図るよう努めるものとする。


1 消防庁「平成23年版 救急・救助の現況」(平成23年)
2 厚生労働省「患者調査」(平成20年)
3 厚生労働省「人口動態統計(確定数)」(平成22年)
4 厚生労働科学研究「循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究」(主任研究者 丸川征四郎)(平成22年度)