02 改正の要点


[通知] 医療法の一部改正について

第二 改正の要点


一 医療提供の理念等
1 次の事項が医療提供の理念とされたこと。
(1) 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、医療を受ける者の心身の状況に応じて行われ、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションまでを含む良質かつ適切なものでなければならないこと。
(2) 医療は、国民の健康の保持のための努力を基礎として、病院、診療所、老人保健施設その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等において、医療提供施設の機能に応じ効率的に提供されなければならないこと。
2 医療提供の理念に基づき、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めることが国及び地方公共団体の責務とされたこと。
3 医療提供の理念に基づき、良質かつ適切な医療を行うことが医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手の責務とされ、医療提供施設間の機能の分担及び業務の連係に資するため、必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介する等の措置を講ずることが医療提供施設において診療に従事する医師及び歯科医師の責務とされ、及び医療提供施設の建物又は設備を診療、研究又は研修のために利用させるよう配慮することが医療提供施設の開設者及び管理者の責務とされたこと。


二 医療施設機能の体系化
医療施設機能の体系化を図るため、特定機能病院及び療養型病床群の制度が設けられたこと。
1 特定機能病院に関する事項
高度な医療を提供する特定の医療施設として特定機能病院の制度が設けられ、次の事項が規定されたこと。
(1) 病院であって、次の各号に掲げる要件に該当するものは、厚生大臣の承認を得て特定機能病院と称することができること。
ア 高度の医療を行う能力を有すること。
イ 高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。
ウ 高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。
エ 厚生省令で定める診療科名を有すること。
オ 厚生省令で定める病床数以上の収容施設を有すること。
カ 厚生省令で定める人員及び施設を有すること。
(2) 厚生大臣による特定機能病院の承認は、病院からの申請に基づき行うこと。
(3) 厚生大臣は、特定機能病院を承認しようとするときは、あらかじめ、医療審議会の意見を聴かなければならないこと。
(4) 特定機能病院の管理者が行うべき事項として次の事項を定めること。
ア 高度の医療を提供すること。
イ 高度の医療技術の開発及び評価を行うこと。
ウ 高度の医療に関する研修を行わせること。
エ 診療等に関する記録を体系的に備え、統計等の記録であって患者の秘密を害する恐れがないものとして厚生省令で定めるものについて、当該病院に患者を紹介しようとする医師等の求めに応じ閲覧させること。
オ 厚生省令で定めるところにより、他の病院又は診療所から紹介された患者のため医療を行うこと。
カ その他厚生省令で定める事項
(5) 特定機能病院に業務に関する報告書の提出を義務付けること。
(6) 厚生大臣は、特定機能病院が(1)に掲げる特定機能病院の承認要件を欠くに至ったとき、(4)若しくは(5)に違反するとき又は構造設備の修繕命令等に違反するときは、その承認を取り消すことができること。
2 療養型病床群に関する事項
長期入院を要する患者にふさわしい医療を提供するため、一般病床中に療養型病床群の制度が設けられ、次の事項が規定されたこと。
(1) 療養型病床群とは、病院の病床のうち一群のものであって、主として長期にわたり療養を必要とする患者を収容するためのものをいうこと。
(2) 療養型病床群を有することにつき都道府県知事の許可を受けた病院は、長期療養患者に適した員数の医師、看護婦、看護の補助の業務に従事する者等及び施設を有すべきこと。
(3) 療養型病床群に関する都道府県知事の許可は、病院からの申請に基づき行うこと。
3 老人保健施設に関する事項
老人保健施設の医療提供面に着目して、第二の一に掲げる医療提供の理念等の規定において、病院、診療所とともに医療を提供する施設として老人保健施設が位置付けられたこと。
これに伴い、老人保健施設の定義規定が設けられたこと。


三 病院、診療所等の業務委託
病院、診療所等の管理者は、医師又は歯科医師の業務、患者の収容等に著しい影響を与える業務として政令で定めるものを委託する場合には、厚生省令で定める基準に適合する者に委託しなければならないものとされたこと。


四 医療法人の業務
医療法人の業務として、疾病予防のために有酸素運動を行わせ、又は温泉を利用させる施設の設置が明示されたこと。


五 医業等に係る掲示及び広告
1 病院等の施設内における医業等に関する事項の掲示業務
病院、診療所又は助産所の管理者は、診療に従事する医師の氏名等の事項を、病院、診療所又は助産所の利用者に見やすいよう、その施設内に掲示するものとされたこと。
2 病院等の施設外における医業等に係る広告規制の見直し
厚生大臣が診療に関する学識経験者の団体の意見を聴いて医業等に係る広告の方法等につき基準を定めるものとされたこと。
3 1及び2の事項の内容を定めようとする場合には、医療審議会の意見を聴くものとされたこと。


六 診療科名
広告できる診療科名について、医学医術に関する学術団体及び医道審議会の意見を聴いて、政令で定めるものとされたこと。


七 その他
1 罰則の規定その他所要の規定の整備が行われたこと。
2 医業等に係る掲示及び広告に関する規定の施行前の準備に関する規定及びこの法律の施行に伴う所要の経過規定が設けられたこと。
3 関係法律の規定の整理が行われたこと。
4 政府は、次のとおり、医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係をより促進するための方法に係る検討等を進めることとされたこと。
(1) 政府は、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係をより促進するため、医療の担い手が、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう配慮することに関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
(2) 政府は、患者の病状に応じて適切な医療を提供することができるよう、総合病院その他の病院及び診療所の在り方、家庭医機能の充実等地域における医療を提供する施設相互間の業務の在り方等医療を提供する体制に関し、引き続き検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとすること。
(3) 政府は、看護婦その他の医療従事者の養成及び確保に努めるとともに、医療従事者の病院における人員配置等に関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
(4) 政府は、医療を提供する施設の機能の体系化を推進するに当たっては、国民の必要かつ適切な受診が抑制されることのないよう配慮するものとすること。