3-6 医療機器の保守点検の業務(新省令第九条の七及び第九条の十二関係)


[通知] 医療法の一部を改正する法律の一部の施行について
第三 業務委託に関する事項

6 医療機器の保守点検の業務(新省令第九条の七及び第九条の十二関係)

(1) 業務の範囲に関すること
ア 新政令第四条の七第五号に定める業務
新政令第四条の七第五号に定める業務は、改正後の省令第九条の七に定める医療機器の保守点検の業務をいうものであること。
なお、改正後の省令第九条の七に定める医療機器は、「薬事法第二条第八項の規定により厚生労働大臣が指定する特定保守管理医療機器」(平成十六年厚生労働省告示第二百九十七号)とし、その詳細については、「薬事法第二条第五項から第七項までの規定により厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器(告示)及び薬事法第二条第八項の規定により厚生労働大臣が指定する特定保守管理医療機器(告示)の施行について(通知)」(平成十六年七月二十日付薬食発第〇七二〇〇二二号厚生労働省医薬食品局長通知)の例によるものとすること。
イ 保守点検と修理
保守点検とは、清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換等をいうものであり、故障等の有無にかかわらず、解体の上点検し、必要に応じて劣化部品の交換等を行うオーバーホールを含まないものであること。
また、修理とは、故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態・機能に復帰させること(当該箇所の交換を含む。)をいうものであり、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に基づく医療機器の製造業又は修理業の業許可を得た者でなければ、業として行ってはならないものであること。
ウ 保守点検の実施主体
医療機器の保守点検は、病院、診療所又は助産所(以下「医療機関」という。)の業務であり、医療機関が自ら適切に実施すべきものであるが、新省令第九条の十二で定める基準に適合し、医療機器の保守点検を適正に行うことができる者と認められるものに委託して行うことも差し支えないものであること。
エ 患者の居宅等における業務
改正後の省令第九条の十二に規定する基準は、病院、診療所、老人保健施設その他の医療を提供する施設における当該業務のみならず、医療を受ける者の居宅等(以下「患者の居宅等」という。)において、医療機関からの委託を受けて、当該業務を行う場合にも適用される基準であること。
また、患者の居宅等において、当該業務を行う場合には、次の業務も含まれるものであること。
① 医療機器の取扱方法についての患者、家族等への説明
② 医療機器の故障時等の対応と医療機関への連絡
オ 危険又は有害な物質を用いて診療を行うための医療機器
改正後の省令第九条の十二第二項ロに掲げる「危険又は有害な物質」とは、爆発、燃焼等のおそれがあるもの又は身体若しくは生命に傷害を生じるおそれがあるものであること。また、「危険又は有害な物質を用いて診療を行うための医療機器」とは、具体的な例を挙げれば、次のとおりであること。
① 放射性同位元素(コバルト、セシウム、イリジウム、ラジウム、ストロンチウム)を用いる放射性同位元素治療器
② 支燃性麻酔ガス(笑気ガス)を使用する人工麻酔器
③ 引火性麻酔ガス(エーテル、シクロプロパン)を使用する人工麻酔器
④ 火薬を使用する結石破砕装置
⑤ 高圧ガス(酸素ガス)を使用する人工呼吸器又は酸素供給装置

(2) 薬事法との関係
ア 対象とする医療機器の範囲
(ア) 添付文書等への保守点検事項の記載
改正後の省令第九条の七に定める医療機器については、薬事法第六十三条の二、薬事法施行規則第二百二十七条により、保守点検に関する事項が添付文書又はその容器若しくは被包に記載されていなければならないとされているものであること。
(イ) 医療機器の保守点検の適切な実施
改正後の省令第九条の七に定める医療機器については、薬事法第七十七条の三第三項により、病院若しくは診療所の開設者又は医師、歯科医師等は、医療機器の適正な使用を確保するため、医療機器の製造業者、輸入販売業者等が提供する情報を活用し、医療機器の保守点検を適切に実施するよう努めなければならないとされているものであること。
イ 修理業の業許可を有する者
薬事法第四十条の二第一項に規定する医療機器の修理業の許可を受けた者については、当該医療機器の保守点検を医療機関内において行う場合に限り、改正後の省令第九条の十二に定める医療機器の保守点検の業務を適正に行う能力のある者として取り扱って差し支えないこと。

(3) 保守点検を行う人員に関する事項
ア 受託責任者の業務
受託責任者は、当該業務の遂行に際して、第一義的な責任を負うべき者であり、他の従事者に対して保守点検に係る品質管理に関する教育訓練を実施するとともに、指導、監督する立場にあるものであること。
イ 受託責任者が有すべき知識
改正後の省令第九条の十二第一号に規定する相当の知識とは、次に掲げる事項に関して、当該業務の責任者として有すべき相当程度の知識をいうものであること。
① 医療機関の社会的役割と組織
② 医療機器の保守点検に関する保健、医療、福祉及び保険の制度
③ 医療機器の原理、構造及び規格
④ 高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)等安全管理関係法規
また、患者の居宅等において、当該業務を行う場合には、次に掲げる事項に関する知識も含まれること。
① 在宅酸素療法等在宅医療に関する保健、医療、福祉及び保険の制度
② 患者、家族等との対応の方法
③ 在宅酸素療法等在宅療法の意義
ウ 受託責任者の配置
医療機器の保守点検業務を行う者が複数の事業所を有する場合には、保守点検業務を行う事業所ごとに受託責任者を配置するものとすること。
エ 修理業における責任技術者
薬事法施行規則第百八十八条に定める医療機器の修理業の責任技術者の資格を有する者は、医療機関内において当該医療機器の保守点検を行う場合に限り、改正後の省令第九条の十二第一号に定める保守点検の受託責任者としての知識及び経験を有している者として取り扱って差し支えないこと。
オ 従事者の有すべき知識及び技能
改正後の省令第九条の十二第二号に規定する受託業務を行うために必要な知識及び技能とは、次に掲げる事項に関して、業務の適正な遂行に必要不可欠な程度の知識及び技能をいうものであること。
① 医療機関の社会的役割と組織
② 医療機器の保守点検に関する保健、医療、福祉及び保険の制度
③ 医療機器の原理、構造及び規格
④ 高圧ガス保安法、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律等安全管理関係法規
⑤ 保守点検の方法
⑥ 緊急時の対応
また、患者の居宅等において、当該業務を行う場合には、次に掲げる事項についても業務の適正な遂行に必要不可欠な程度の知識及び技能を併せて有する者に従事させるべきであること。
① 在宅酸素療法等在宅医療に関する保健、医療、福祉及び保険の制度
② 患者、家族等との対応の方法
③ 在宅酸素療法等在宅療法の意義

(4) 標準作業書に関する事項
改正後の省令第九条の十二第三号に規定する標準作業書は、保守点検の業務を行う者が作成し、必要に応じて医療機関に開示することができるよう整備されたものであること。
標準作業書の内容は、製造業者等が各医療機器に添付する文書に記載されている保守点検に関する事項と十分に整合性があるものであって、少なくとも医療機器の保守点検手順、保守点検後の医療機器の動作確認手順、警報装置の動作確認手順、保守点検を行った医療機器に関する苦情の処理方法等の事項が具体的に記載されているものであること。なお、保守点検の業務は、原則として標準作業書にのっとって行われるものであるから、その内容は従事者が実際に業務を遂行できる程度に具体的かつ詳細なものである必要があることに留意すること。

(5) 業務案内書に関する事項
改正後の省令第九条の十二第四号に規定する業務案内書には、少なくとも左記の事項が具体的に記載されていること。
① 保守点検作業に関する標準作業方法の要点及び定期保守点検の標準作業方法の要点
② 医療機器の故障時及び事故時の連絡先及び対応方法
③ 業務の管理体制として規模及び配置人員
④ 保守点検に関する過去の苦情事例及びその原因と対処方法





[通知] 医療法の一部を改正する法律の一部の施行について