3.退出基準


[通知] 放射性医薬品を投与された患者の退出について

3.退出基準

本指針では、1に述べた公衆及び介護者について抑制すべき線量の基準を、公衆については、1年間につき1ミリシーベルト、介護者については、患者及び介護者の双方に便益があることを考慮して1件あたり5ミリシーベルトとし、退出基準を定めた(注)。
具体的には、以下の(1)から(3)のいずれかの基準に該当する場合に、退出・帰宅を認めることとする。

(1) 投与量に基づく退出基準
投与量又は体内残留放射能量が次の表に示す放射能量を超えない場合に退出・帰宅を認める。なお、この基準値は、投与量、物理的半減期、患者の体表面から1メートルの点における被ばく係数0.5、1センチメートル線量当量率定数に基づいて算定したものである。 

放射性医薬品を投与された患者の退出・帰宅における放射能量
 

治療に用いた核種

投与量又は体内残留放射能量

MBq

ストロンチウム―89

200 1

ヨウ素―131

500 2

イットリウム―90

1184 1


*1) 最大投与量
*2) ヨウ素―131の放射能量は、患者身体からの外部被ばく線量に、患者の呼気とともに排出されるヨウ素―131の吸入による内部被ばくを加算した線量から導かれたもの。

(2) 測定線量率に基づく退出基準
患者の体表面から1メートルの点で測定された線量率が次の表の値を超えない場合に退出・帰宅を認める。なお、この基準値は、投与量、物理的半減期、患者の体表面から1メートルの点における被ばく係数0.5、1センチメートル線量当量率定数に基づいて算定したものである。

放射性医薬品を投与された患者の退出・帰宅における線量率

治療に用いた核種

患者の体表面から1メートルの点における1センチメートル線量当量率(μSvh

ヨウ素―131

30 *)


*) 線量当量率は、患者身体からの外部被ばく線量に、患者の呼気とともに排出されるヨウ素―131の吸入による内部被ばくを加算した線量から導かれたもの。

(3) 患者毎の積算線量計算に基づく退出基準
患者毎に計算した積算線量に基づいて、以下のような場合には、退出・帰宅を認める。
ア 各患者の状態に合わせて実効半減期やその他の因子を考慮し、患者毎に患者の体表面から1メートルの点における積算線量を算出し、その結果、介護者が被ばくする積算線量は5ミリシーベルト、公衆については1ミリシーベルトを超えない場合とする。
イ この場合、積算線量の算出に関する記録を保存することとする。
なお、上記の退出基準は以下の事例であれば適合するものとして取扱う。

患者毎の積算線量評価に基づく退出基準に適合する事例
 

治療に用いた核種

適用範囲

投与量(MBq

ヨウ素―131

遠隔転移のない分化型甲状腺癌で甲状腺全摘術後の残存甲状腺破壊(アブレーション)治療1

1110 2

*1) 実施条件:関連学会が作成した実施要綱(「残存甲状腺破壊を目的としたI―131(1,110MBq)による外来治療」)に従って実施する場合に限る。 *2) ヨウ素―131の放射能量は、患者身体からの外部被ばく線量に、患者の呼気とともに排出されるヨウ素―131の吸入による内部被ばくを加算した線量から導かれたもの。






[通知] 放射性医薬品を投与された患者の退出について