患者誤認事故予防のための院内管理体制の確立について (平成11年2月2日 総第8号) 今般、手術患者の誤認事故が発生し、二名の患者に対し、それぞれ治療目的以外の手術が行われた。本事件の詳細については、現在関係者により調査中であるが、日常多くの手術が実施されている現状を踏まえ、国民の医療に対する信頼の維持が重要である。 こうした観点から、患者の生命、健康を預かる医療機関として、今後本件のような事故が起きることがないよう、医療機関内の管理体制全般について万全を期すべく、管下医療機関に注意喚起されたい。 なお、厚生省としては、今後の類似事故の再発防止を目的として「患者誤認事故予防のための院内管理体制の確立方策に関する検討会」を、別添のとおり、設置することとしたので、お知らせする。 なお、この検討会は、早急に一応のとりまとめを行う予定であり、その成果について医療機関において普及・活用されることを期待している。 (別添) 「患者誤認事故予防のための院内管理体制の確立方策に関する検討会」について 一 背景 今般、横浜市立大学病院において手術患者の誤認事故が発生し、二人の患者に対して、それぞれ治療目的以外の手術が行われた。本事件の概要、事故原因等の詳細については現在、同大学病院において調査中であるが、日常多くの手術が実施されている現状を踏まえると、国民の間に手術、医療機関の管理体制全般に対して生じている不信感に応えるため、今後の類似事故の再発防止のための方策が求められている。 二 検討会座長 国立循環器病センター総長 菊池 晴彦 三 メンバー構成 別紙 四 内容 (一) 患者誤認事故予防を目的として、国内の医療機関における先進的な取り組み事例について有識者への聞き取り調査を実施。 (二) 海外における患者誤認の予防を目的としたリスク管理の取り組み状況について有識者への聞き取り調査を実施。 (三) 医療機関において、患者誤認事故予防のための管理システムを普及、定着させていくための方策について検討を行う。 (四) 前記の結果を踏まえ、医療機関における患者誤認事故予防のための指針を取りまとめる。 五 スケジュール 二月中に第一回、その後月一、二回程度開催し、早急に一応の取りまとめ予定。 六 その他 検討会でまとめられた指針について、関係機関、関係団体と協力しながら、各医療機関への普及、定着を図る。 なお、検討会は非公開とし、問い合わせ等については、健康政策局総務課において対応する。 (別紙) 「患者誤認事故予防のための院内管理体制の確立方策に関する検討会」名簿 (五十音順) (氏 名) (所 属) 石原 哲 全日本病院協会常任理事 井部 俊子 日本看護協会副会長 大島 博幸 東京医科歯科大学医学部教授 柿田 章 北里大学病院院長 川村 治子 杏林大学保健学部教授 菊池 登喜子 東北公済病院看護部長 (座長) 菊池 晴彦 国立循環器病センター総長 花岡 一雄 東京大学医学部教授 北條 慶一 日本病院会常任理事 松田 暉 大阪大学医学部教授 宮坂 雄平 日本医師会常任理事 山本 修三 済生会神奈川県病院院長 |