1 琉球大学医学部附属病院における照射装置の線源交換中の事故の例


[通知] 診療用放射線の安全管理の徹底について
医療機関において発生した医療放射線の事故について

1 琉球大学医学部附属病院における照射装置の線源交換中の事故の例

平成10年6月30日、診療用放射線照射装置使用室(放射線ラルストロン室)内において、放射線治療用アフターローディング装置の192Ir線源の交換作業中に、放射線診療従事者の被ばく事故が発生した。
事故の直接の発生原因は、以下の通りであった。

① 運搬容器のロック解除が不完全な状態のままで、線源交換作業を開始したこと。
② 遠隔操作装置の操作卓上での動作不良表示の原因を確認するにあたって、放射線測定器(サーベイメーター等)を持たずに診療用放射線照射装置使用室に入室したこと。
③ ワイヤー付の線源について、線源の付着端を非付着端と誤認したこと。
④ 使用室内に設置されている放射線測定器(エリアモニター)の警報の設定値は高めにしてあり、鳴りにくい状態となっていたこと。

また、直接の原因ではないが、線源交換にあたっての作業マニュアルの不備、機器の点検整備を行う体制が不十分であったことについても指摘されている。
この事故により2名の放射線診療従事者が被ばくしたが、被ばく線量は、全身について最大で2.3mSv(胸部に装着していたフィルムバッジの読みとり値による。)、局所手指の皮膚については最大で370mSv(線源のステンレスカプセル部分に接触、その際の線源からの距離0.5cm、接触時間1秒の仮定による。)であったと推定された。現在までのところ、この被ばくによる健康被害は認められていない。
なお、事故の再発の防止を期するため、同病院内の放射線安全委員会にて、障害防止法に基づく放射線障害予防規定の見直しが検討され、また、職員の再教育、安全意識の向上、作業マニュアルの策定等が行われたところである。