[通知] 診療用放射線照射器具の安全管理の徹底について 別添 今回の診療用放射線照射器具紛失事故について 平成14年5月28日、放射性廃棄物回収業者より診療用放射線照射器具であるイリジウム192(シンワイヤー)が1本(長さ2cm)足りない旨の連絡が病院にあり、直ちに患者をエックス線写真及びサーベイメーターで検査し、体内に残留していないことを確認した。また、管理区域、ごみ集積場及び病院内についてサーベイメーターを使って探索したが、発見できず、同日保健所、警察署等に通報した。しかしながら、消防署等への通報が翌5月29日となるなど、対応の遅れがみられた。6月3日、廃棄物最終処分場を捜索したが、発見できなかった。 このイリジウムは、平成14年1月16日に病院が2cm10本、3cm10本及び5cm10本を販売業者より入手、平成14年3月11日から3月18日までの間、治療のため2cm照射器具を2本入れたチューブを2本、5cm照射器具を1本入れたチューブを7本使用していた。主な紛失の原因としては、治療時の状況及びその後の作業等の記録から、入手時、受領した担当医が、照射器具の本数を確認せずに貯蔵施設の貯蔵箱に入れたこと、また同年5月22日、廃棄の際担当医が本数を確認しなかったこと等によるものと考えられている。 その後の保健所等の立入調査等により、医療法施行規則第30条の22に規定する放射線障害が発生する恐れのある場所の測定が、病院の敷地の境界及び放射線治療病室内の放射線量の測定においては実施されていなかったこと、また、この測定は1月を超えない毎に1回測定することとなっているが、平成13年8月以降、2月に1回程度の実施であったことが明らかとなっている。 (参考) 1 診療用放射線照射器具(治療用密封小線源)の使用許可、届出がなされている都道府県別医療機関数(総数282) 北海道 12 青森 4 岩手 4 宮城 4 秋田 1 山形 7 福島 5 茨城 7 栃木 6 群馬 3 埼玉 9 千葉 7 東京 28 神奈川 18 新潟 4 富山 2 石川 4 福井 3 山梨 2 長野 7 岐阜 2 静岡 5 愛知 13 三重 3 滋賀 2 京都 4 大阪 16 兵庫 10 奈良 3 和歌山 3 鳥取 2 島根 2 岡山 7 広島 11 山口 4 徳島 2 香川 5 愛媛 8 高知 4 福岡 11 佐賀 3 長崎 5 熊本 5 大分 4 宮崎 5 鹿児島 4 沖縄 2 2 核種別使用施設数(カッコ内は総数282に対する割合) コバルト60 135(47.9%) ストロンチウム90 34(12.1%) ヨウ素125 8(2.8%) セシウム137 62(22.0%) イリジウム192 113(40.1%) 金198 66(23.4%) ラジウム226 53(18.8%) アメリシウム241 2(0.7%) カリホルニウム252 1(0.4%) 出典:「放射線利用統計2001」 文部科学省科学技術・学術政策局監修、(社)日本アイソトープ協会発行 |