2 改正の要点


[通知] 医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について

第二 改正の要点


1 使用の場所等の制限の例外

(1) 特別の理由により、「診療用放射線照射器具」を、「診療用放射線照射装置使用室」で使用することが、適切な防護措置を講じた場合にあっては、可能となったこと(改正後の医療法施行規則(以下「新規則」という。)第三十条の十四)。

(2) 新規則第三十条の十四にいう「特別の理由により」とは、「診療用放射線照射器具」である密封線源の永久挿入による組織内照射治療を、医療資源の活用のためやむを得ず「診療用放射線照射装置使用室」において行うこととした場合、他の治療と比較して患者が利益を得られると医師が判断し、その際、当該「診療用放射線照射装置使用室」については、永久挿入による組織内照射を行うために必要な感染防止対策を講じるための手洗い場所等や、麻酔に関連した配管類(笑気、酸素、吸引)等が整備されている場合に限り認められること。
なお、「診療用放射線照射器具」は人体内から再び取り出す意図を持たずに挿入される目的のものであって、ヨウ素125又は金198を装備しているものに限られること。

(3) 新規則第三十条の十四により病院又は診療所の管理者が講ずべき「適切な防護措置」の内容は、概ね次のとおりであること。
(ア) 「診療用放射線照射装置使用室」は、RALS(遠隔操作式後充填法)用の診療用放射線照射装置の使用を目的としているもので、RALS用の診療用放射線照射装置についてはアプリケータと接続し、かつ、チャンネルを合わせないと線源が利用できない等、十分な安全保持機構が備わっているものに限られること。
(イ) 「診療用放射線照射装置」と「診療用放射線照射器具」を同時に使用させないこと。
(ウ)「診療用放射線照射器具」で治療を行う際には、「診療用放射線照射装置」と患者及び放射線診療従事者の間に適切なしゃへい物を設けたり、適当な距離を取る等、放射線に対する適切な防護措置を講じて、患者や放射線診療従事者等の被ばく線量をできるだけ小さくすること。
(エ) 内部の壁、床その他「診療用放射線照射器具」が入り込むおそれのある部分は、突起物、くぼみ及び仕上げ材の目地等のすきまの少ないものとすること。排水口など「診療用放射線照射器具」が紛失するおそれのある構造物がある場合は、シートで覆う等適切な紛失防止措置を講ずること。
(オ) 室内に容易に動かせない機器等がある場合は、「診療用放射線照射器具」が入り込まないよう目張りを行い、すきまの無いようにすること。
(カ) 「診療用放射線照射器具」の取扱場所の線量率を十分に下げ、脱落した「診療用放射線照射器具」が容易に検索できる手段を確保すること。その手段を確保できない部分がやむを得ず生じる場合には、「診療用放射線照射器具」が紛失しないよう、作業範囲をシートで覆い、必要に応じてバットを使用する等、定まった区域に閉じこめられるよう措置すること。
(キ) 「診療用放射線照射器具」使用後において放射線測定器により使用機材、シートや使用場所等の線量を測定することにより、「診療用放射線照射器具」の紛失がないことや「診療用放射線照射器具」が放置されていないことを確認すること。その際は適切な放射線測定器(特にヨウ素125についてはヨウ素125用シンチレーション式サーベイメータ等)を用い、また、保管簿の記帳等により当該「診療用放射線照射器具」の数量があっているか確認し、そのことを記載すること。
(ク) 「診療用放射線照射装置使用室」において「診療用放射線照射器具」を使用する場合に関し、放射線防護に関する専門知識を有する医師又は診療放射線技師等の中から管理責任者を選任すること。また、当該「診療用放射線照射器具」の管理体制を明確にする組織図を作成するほか、管理責任者、担当医等と十分連携をとること。


2 留意すべき事項

(1) 使用の場所等の制限に係る原則(医療法施行規則第三十条の十四)
病院又は診療所における医療用放射線に係る装置、器具等の使用については専用の室で行うことを基本としており、今回の改正は上記1に掲げるものを例外として追加したものであること。
したがって、「診療用放射線照射器具」は「診療用放射線照射器具使用室」において用いるのが原則であり、今回の改正後も、「診療用放射線照射器具使用室」を有していない医療施設については、特別の理由があり、かつ、適切な防護措置を講じた上で、「診療用放射線照射装置使用室」で使用する以外は、「診療用放射線照射器具」を使用することはできないものであること。

(2) 放射線障害が発生するおそれのある場所の測定(医療法施行規則第三十条の二十二)
「診療用放射線照射装置使用室」で「診療用放射線照射装置」を固定して取り扱う場合等(医療法施行規則第三十条の二十二第1項第一号)にあっては、放射線障害が発生するおそれのある場所の測定は、診療を開始した後にあっては六月を超えない期間ごとに一回行わなければならないとされているが、「診療用放射線照射装置使用室」において、「診療用放射線照射器具」を使用する場合は、診療を開始した後にあつては一月を超えない期間ごとに一回、放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況を測定し、その結果に関する記録を五年間保存しなければならないものであること。

(3) その他永久挿入線源の使用の際の注意事項
永久挿入線源の使用、保管廃棄、患者の入院制限等については、「診療用放射線照射器具を永久的に挿入された患者の退出について」(平成15年3月13日付医薬安第0313001号医薬安全対策課長通知)、及び「患者に永久的に挿入された診療用放射線照射器具(ヨウ素125シード、金198グレイン)の取扱いについて」(平成15年7月15日付医政指発第0715002号医政局指導課長通知)を示しているところであり、「診療用放射線照射装置使用室」における使用の場合にあっても、これらに準ずること。