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平成16年04月09日 診療用放射線の過剰照射の防止等の徹底について


診療用放射線の過剰照射の防止等の徹底について
(平成16年4月9日 医政指発第0409001号)

医療機関における診療用放射線に係る安全管理対策等については、かねてよりご配慮いただいているところであるが、最近、別添のとおり、診療用高エネルギー放射線発生装置(リニアック装置)に係る過剰照射と思われる事例が発生・判明したところである。
貴職におかれては、貴管下において医療法施行規則第24条第1号の診療用高エネルギー放射線発生装置はもとより、診療用放射線照射装置(同条第2号)、及び診療用放射線照射器具(同条第3号)等を用いて診療を行っている医療機関に対して、関係法令の遵守、医療機関内の管理体制の徹底等について指導方よろしくお願いする。
また、今回の事例を踏まえ、最近新たにリニアック装置を備えた医療機関(更新したものを含む。)においては、照射量の設定等を含め、自主点検やダブルチェックの体制等適切な管理が行われるよう、特段の配慮をお願いする。
なお、万一の事故等による放射線障害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、医療法施行規則第30条の25により、保健所、警察署、消防署その他関係機関に通報するとともに、放射線障害の防止につとめなければならないとされており、その遵守についても併せて指導方よろしくお願いする。


別添
診療用高エネルギー放射線発生装置による過剰照射の事例


1.国立弘前病院における過剰照射

本件は、平成3年1月から平成11年10月までの間に、診療用高エネルギー放射線発生装置(リニアック装置)を用いて患者に対し放射線治療を行う際に、必要とされる以上の放射線を照射していたことが判明したもの。
この経緯は、平成15年8月に、同院において人工肛門造設術となった患者の原因究明を行ったところ、平成11年に同院で受けた放射線治療で過剰な放射線照射が行われていたことが判明したものであり、そのため、過去に同院においてリニアック装置による治療を受けた患者について調査したところ、他にも複数の患者に対して過剰照射が実施されていたことが明らかになったもの。
この原因については、医師と診療放射線技師との間のコミュニケーション不足や、ダブルチェック体制がとられていなかったことが挙げられている。
なお、本件については、外部委員で構成される事故調査委員会が設置され、原因究明や今後の事故防止策等の対応策が検討されるとともに、関係学会による調査も実施されているところである。


2.山形市立病院済生館における過剰照射

本件は、平成14年10月以降、診療用高エネルギー放射線発生装置(リニアック装置)を用いて患者に対し放射線治療をする際に、必要とされる以上の放射線を照射していたことが判明したもの。
この経緯は、平成16年3月、他院における放射線治療の際の過少照射の事例が報道されたことを受け、同院において内部調査を行ったところ、複数の患者に対して過剰照射が実施されていたことが明らかになったもの。
この原因については、新たなリニアック装置を導入した後、放射線科担当医師が、放射線照射が不要な部位への照射を防止するための遮蔽版を装着していないにもかかわらず、装着したものとして計算した放射線量を照射したもので、装着の確認及び計算方法の徹底が不十分であったことによるものであり、ダブルチェック体制がとられてなかったことも原因とされている。
なお、本件については、医療機関内部に事故調査委員会を設置し、原因究明や今後の事故防止策等の対応策が検討されるとともに、外部機関による調査も実施されているところである。