19 臨床研修の修了


[通知] 歯科医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について
第2 省令の内容及び具体的な運用基準

19 臨床研修の修了

(1) 臨床研修の修了基準
ア 研修実施期間の評価
管理者は、研修歯科医が研修期間(原則として1年間)の間に、以下に定める休止期間の上限を減じた日数以上の研修を実施しなければ修了と認めてはならないこと。
(ア) 休止の理由
研修休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児その他正当な理由(研修プログラムで定められた年次休暇を含む)であること。
(イ) 必要履修期間等についての基準
研修期間(原則として1年間)を通じた休止期間の上限は45日(研修機関(施設)において定める休日は含めない。)とすること。
(ウ) 休止期間の上限を超える場合の取扱い
研修期間終了時に当該研修歯科医の研修休止期間が45日を超える場合には、未修了とするものであること。この場合、原則として引き続き同一の研修プログラムで研修を行い、45日を超えた日数分以上の日数の研修を行うこと。
(エ) プログラム責任者の役割
プログラム責任者は、研修休止の理由の正当性を判定し、履修期間の把握を行わなければならないこと。研修歯科医が修了基準を満たさなくなる恐れがある場合には、事前に研修管理委員会に報告・相談するなどして対策を講じ、当該研修歯科医があらかじめ定められた研修期間内に研修を修了できるように努めなければならないこと。
イ 臨床研修の到達目標(臨床歯科医としての適性を除く。)の達成度の評価
管理者は、研修歯科医があらかじめ定められた研修期間を通じ、各到達目標について達成したか否かの評価を行い、少なくとも到達目標に示されたすべての項目について目標を達成しなければ、修了と認めてはならないこと。
基本習熟コースの到達目標については、研修歯科医が医療の安全を確保し、かつ、患者に不安を与えずに行うことができる場合に当該項目を達成したと考えるものであること。
基本習得コースの到達目標については、臨床研修修了後、早期に習熟すべき項目であり、臨床研修中に頻度高く臨床経験した場合に当該項目を達成したと考えるものであること。
ウ 臨床歯科医としての適性の評価
管理者は、研修歯科医が以下に定める各項目のいずれかに該当する場合は、修了と認めてはならないこと。
臨床歯科医としての適性の評価は非常に困難であり、極めて慎重な検討が必要であること。なお、原則として、単一の臨床研修施設、特に一人の指導歯科医のみでは、その程度が著しい場合を除き臨床歯科医としての適性の判断を行うべきではなく、少なくとも複数の指導歯科医の評価、あるいは複数の臨床研修施設における臨床研修を経た後に評価を行うことが望ましいこと。
(ア) 安心、安全な医療の提供ができない場合
医療安全の確保が危ぶまれる、又は患者との意志疎通に欠け不安感を与える場合等には、まず、指導歯科医が中心となって、当該研修歯科医が患者に被害を及ぼさないよう十分注意しながら、指導・教育するものであること。十分な指導にもかかわらず改善がみられず、患者に被害を及ぼすおそれがある場合には、研修管理委員会において未修了や中断と判断することもやむを得ないこと。
一般常識を逸脱する、就業規則を遵守できない、チーム医療を乱す等の問題に関しては、まず当該臨床研修施設において、十分指導・教育を行うこと。原則として、あらかじめ定められた臨床研修期間を通じて指導・教育し、それでもなお医療の適切な遂行に支障を来す場合には、未修了や中断と判断することもやむを得ないこと。
また、研修歯科医本人の重大な傷病によって適切な診療行為が行えず、医療安全の確保が危ぶまれる、又は患者に不安感を与える等の場合にも、未修了や中断と判断することもやむを得ないこと。なお、傷病又はそれに起因する障害等により当該臨床研修施設では研修不可能であるが、それを補完・支援する環境が整っている他の臨床研修施設で研修可能な場合には、管理者は、当該研修歯科医が現に受けている研修プログラムを中断し、引き続き、当該研修歯科医が研修可能な別の臨床研修施設の研修プログラムを受けることを可能とすること。
(イ) 法令・規則が遵守できない者
医道審議会の処分対象となる者の場合には、歯科医師法(昭和23年法律第202号)第7条の2第1項の規定に基づく再教育研修を行うことになること。再教育にもかかわらず改善せず、患者に被害を及ぼす恐れがある場合には、未修了、中断の判断もやむを得ないものとすること。

(2) 臨床研修の修了認定
ア 研修管理委員会は、研修歯科医の研修期間の終了に際し、臨床研修に関する当該研修歯科医の評価を行い、管理者に対し、当該研修歯科医の評価を報告しなければならないこと。この場合において、研修管理委員会は、臨床研修中断証を提出し臨床研修を再開した研修歯科医については、当該臨床研修中断証に記載された当該研修歯科医の評価を考慮するものとすること。
イ 管理者は、アの評価に基づき、研修歯科医が臨床研修を修了したと認めるときは、速やかに、当該研修歯科医に対して、当該研修歯科医に関する次に掲げる事項を記載した臨床研修修了証(様式14)を交付しなければならないこと。
(ア) 氏名、歯科医籍の登録番号及び生年月日
(イ) 修了した臨床研修に係る研修プログラムの名称
(ウ) 臨床研修を開始し、及び修了した年月日
(エ) 臨床研修を行った臨床研修施設(研修協力施設と共同して臨床研修を行った場合にあっては、臨床研修施設及び研修協力施設)の名称

(3) 臨床研修の未修了
ア 基本的な考え方
臨床研修の未修了とは、研修歯科医の研修期間の終了に際する評価において、研修歯科医が臨床研修の修了基準を満たしていない等の理由により、管理者が当該研修歯科医の臨床研修を修了したと認めないことをいうものであり、原則として、引き続き同一の研修プログラムで研修を行うことを前提としたものであること。
研修プログラムを提供している管理者及び研修管理委員会には、あらかじめ定められた研修期間内に研修歯科医に臨床研修を修了させる責任があり、安易に未修了の扱いを行ってはならないこと。
やむを得ず未修了の検討を行う際には、管理者及び研修管理委員会は当該研修歯科医及び研修指導関係者と十分話し合い、当該研修歯科医の研修に関する正確な情報を十分に把握するものであること。
これらを通じて、最終的に未修了という判断に至る場合にも、管理者及び研修管理委員会は当該研修歯科医が納得するよう努めなければならないこと。なお、このような場合においては、経緯や状況等の記録を残しておく必要があること。また、必要に応じて事前に管轄する地方厚生局健康福祉部医事課に相談をすること。
イ 未修了の手順
管理者は、(2)アの評価に基づき、研修歯科医が臨床研修を修了していないと認めるときは、速やかに、当該研修歯科医に対して、理由を付して、その旨を文書(様式15)で通知しなければならないこと。
ウ 未修了とした場合
当該研修歯科医は原則として引き続き同一の研修プログラムで研修を継続することとなるが、その場合には、研修プログラムの定員を超えてしまう事もあり得ることから、指導歯科医1人当たりの研修歯科医数や研修歯科医1人当たりの症例数等について、研修プログラムに支障を来さないよう、十分に配慮しなければならないこと。
なお、未修了とした場合には、管理者は、研修を継続させる前に、当該研修歯科医が臨床研修の修了基準を満たすための履修計画表(様式16)を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。