第4 へき地にある病院等が医業について医師を派遣労働者として受け入れる際の留意点


[通知] 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行について〔医療法〕

第4 へき地にある病院等が医業について医師を派遣労働者として受け入れる際の留意点


(1) 基本的考え方
へき地にある病院等に医師の労働者派遣を行うに当たっては、派遣元事業主は、へき地においては一人の医師で対応すべき医療のニーズが広範にわたり得るという特性にかんがみ、へき地にある病院等への派遣後に医業を円滑に行うために必要な研修(以下「事前研修」という。)をあらかじめ受けた医師を派遣すべきであり、他方、派遣先となるへき地にある病院等が派遣労働者として医師を受け入れるに当たっては、事前研修を受けた医師を受け入れるべきであること。
その際、研修を受けた医師であるかどうかの確認は、事前研修を修了した旨の証明書により行うこと。
なお、医療法第10条に規定する管理業務については、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように管理するものであることから、労働者派遣事業の対象とすることが適当ではないことについては、平成11年11月30日付け健政発第1290号・健医発第1634号・医薬発第1331号厚生省健康政策局長・保健医療局長・医薬安全局長連名通知により示しているところであるので、念のため申し添える。


(2) 事前研修
事前研修の実施主体、内容等については、一般的には、以下のようなものが望ましいと考えられる。ただし、派遣先となる病院等の意向を十分に確認した上で、派遣される医師の個人的な属性(専門分野、へき地勤務経験等)や労働者派遣契約の内容(勤務場所、期間、業務内容の特約等)等に応じた取扱いをしても差し支えないこと。

① 事前研修の実施主体
各都道府県のへき地医療支援機構が中心となって行うものであること。

② 事前研修の内容
・ 地域におけるへき地医療拠点病院等の医療機関や消防・警察等の関係機関との連携体制のあり方について
・ へき地において特に必要とされる、救急医療や在宅医療等に関する知識及び手技等について
・ 派遣先の地域固有の自然環境や生活環境(気候・地形、疾病構造・風土病、ライフラインの整備状況等)について

③ 事前研修の期間について
最低6時間以上であることが望ましいこと。

④ 事前研修を修了した旨の証明について
当該医師が事前研修を修了したと認められる場合には、へき地医療支援機構において、その旨の証明書を発行すること。

⑤ 事前研修を実施する必要のない者について
事前研修の実施については、上記のとおり、派遣先となる病院等の意向を十分に確認した上で、一定の柔軟な取扱いをすることも可能であるが、少なくとも、今般の改正政令に基づきへき地へ派遣され、1年以上勤務した経験を有する者又はそれと同等以上の経験を有すると認められる者(「へき地保健医療対策事業について」(平成13年5月16日付け医政発第529号厚生労働省医政局長通知)に定めるへき地診療所に1年以上勤務した経験を有する者又は同通知に定めるへき地医療拠点病院に1年以上勤務し、かつ、巡回診療若しくはへき地診療所への代診等に従事した経験を有する者等)に対しては、事前研修を実施する必要はないものとして取り扱って差し支えないこと。


(3) 派遣労働者である医師に対する教育訓練等
上記のとおり、へき地においては一人の医師で対応すべき医療のニーズが広範にわたり得ることから、事前研修を受けた医師を派遣すべきこととしているが、派遣労働者である医師を受け入れる病院等は、当該医師を受け入れた後にあっても、地域における医療事情に、より即応した内容・形態等の研修を必要に応じ行うなど、へき地において医業が円滑に行われるよう教育訓練の機会の確保に努めること。