在宅酸素療法における火気の取扱いについて(注意喚起及び周知依頼) (平成22年1月15日 医政総発0115第1号・医政指発0115第1号・薬食安発0115第1号) 在宅酸素療法に使用する酸素濃縮装置、液化酸素及び酸素ボンベ(以下「酸素濃縮装置等」という。)については、酸素は支燃性(燃焼を助ける性質)が強いガスであることから、その添付文書や取扱説明書等において、火気を近づけてはならない旨が記載されております。 また、医療用酸素ガス等の事業者の業界団体である一般社団法人日本産業・医療ガス協会(以下「協会」という。)が、啓発のためのパンフレットやDVDを作成・配布し、平成20年6月には独立行政法人医薬品医療機器総合機構が、PMDA医療安全情報No.4「在宅酸素療法時の喫煙などの火気取扱いの注意について」を公表するなど、酸素吸入時の火気の取扱いについて注意喚起が行われているところです。 しかしながら、酸素濃縮装置等を使用中の患者が、喫煙等が原因と考えられる火災により死亡するなどの事故が別紙のとおり発生しております。 同様の事故を防止するため、下記のとおり、在宅酸素療法を受けている患者やその家族等に対して、適切な注意喚起が継続的に実施されるよう、貴管下医療機関への周知及び指導方お願いいたします。 あわせて、貴職におかれましても、在宅酸素療法を受けている患者やその家族等に対し、火気の取扱いに関する注意等を呼びかけていただくとともに、酸素濃縮装置等は適切に使用すれば安全な装置であり、治療を受けている患者等に対する正しい理解をいただくよう住民への啓発をお願いいたします。 なお、別添通知のとおり、協会あてに、医療機関及び患者やその家族等に対して酸素吸入時における火気の取扱いに関する注意喚起を改めて徹底すること等を依頼していることを申し添えます。 記 1.在宅酸素療法を受けている患者やその家族等に対して、以下の点を説明し、酸素吸入時の火気の取扱い等について、注意喚起すること。 1) 高濃度の酸素を吸入中に、たばこ等の火気を近づけるとチューブや衣服等に引火し、重度の火傷や住宅の火災の原因となること。 2) 酸素濃縮装置等の使用中は、装置の周囲2m以内には、火気を置かないこと。特に酸素吸入中には、たばこを絶対に吸わないこと。 3) 火気の取扱いに注意し、取扱説明書どおりに正しく使用すれば、酸素が原因でチューブや衣服等が燃えたり、火災になることはないので、過度に恐れることなく、医師の指示どおりに酸素を吸入すること。 2.注意喚起を実施する際に使用するための文書や動画等の資材は、各酸素濃縮装置等の製造販売業者又は販売業者から提供されるので、適宜活用すること。 (参考情報) 1.厚生労働省ホームページ 在宅酸素療法における火気の取扱いについて 厚生労働省作成 啓発リーフレット 「在宅酸素療法時は、たばこ等の火気の取扱いにご注意下さい。」 2.PMDA医療安全情報No.4 「在宅酸素療法時の喫煙などの火気取扱いの注意について」 3.一般社団法人 日本産業・医療ガス協会ホームページ 4.神戸市消防局ホームページ 「在宅酸素療法中の火災危険について」 (留意事項) 本通知の内容については、在宅酸素療法を実施している貴管下医療機関の医療に係る安全管理のための委員会の関係者、医療安全管理者、医薬品及び医療機器の安全使用のための責任者等に対しても周知されるようご配慮願います。 (参考) 本通知を含め、医薬品・医療機器の安全性に関する特に重要な情報が発出された際に、その情報をメールによって配信する「医薬品医療機器情報配信サービス」が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において運営されております。以下のURLから登録できますので、ご活用下さい。 医薬品医療機器情報配信サービス http://www.info.pmda.go.jp/info/idx-push.html 別添通知 (略) |