第3章 複数の医療機関において共同で再生・細胞医療を実施する場合の要件


[通知] 医療機関における自家細胞・組織を用いた再生・細胞医療の実施について
医療機関における自家細胞・組織を用いた再生・細胞医療の実施について

第3章 複数の医療機関において共同で再生・細胞医療を実施する場合の要件

再生・細胞医療の実施初期には、1つの医療機関において、患者への移植等や細胞の培養・加工が一貫して行われるが、一定の有効性及び安全性の評価が行われた後には、複数の医療機関において共同で同じ再生・細胞医療を実施することが考えられる。複数の医療機関において共同で再生・細胞医療を実施する場合には、第2章の要件に加えて、以下の要件を満たすことが必要である。

1.再生・細胞医療提供の体制等

① 第2章1②に規定する倫理審査委員会は、各々の医療機関が固有のものを設置し、有効性や安全性、品質に関する情報を共有するためにも、互いの医療機関で開催される際には、少なくとも互いの倫理審査委員会で行われた議論の内容がわかるような書面を提示し、相手の医療機関における実施体制等について理解することが必要である。その上で、相手側の倫理審査委員会の要請がある場合には、医療機関の関係者が出席し、各医療機関における実施体制等について説明を行うことが必要である。
② 第2章1③に規定する医療関係者の連携については、複数の医療機関において共同で一体となって再生・細胞医療を実施する場合には、特に重要であり、患者の診療情報を両医療機関の関係者が共有した上で、患者の治療や治療後のモニタリングを共同で実施し、各々の医療機関で記録を保存することが必要である。例えば、主治医を中心として両医療機関の医師又は歯科医師の参加によるカンファレンスを実施した上で治療方針や重大な事態が生じた場合の対応の決定等を行うことが必要である。
③ 両医療機関の関係者は、長期間にわたって、共同で有効性や安全性に関して患者をフォローすることが必要である。
④ 両医療機関の医師又は歯科医師は、実施する再生・細胞医療に関する知識・技能(細胞・組織の加工に関する事項を含む。)を有することが必要である。
⑤ 第2章3③に規定する製造管理、品質管理、バリデーション等に関することについても、あらかじめ両医療機関で共有することが必要である。
⑥ 医療機関が加工を実施した細胞・組織を他の医療機関に提供する場合には、一定の有効性及び安全性が確認されたものが提供されるべきである。したがって、加工を実施する医療機関についても、少なくとも十分な有効性及び安全性が確立されていない段階(臨床研究や評価療養)においては、細胞・組織の加工のみに特化することなく、自ら実際にこれを用いた医療を実施し、十分な評価を行っていることが求められる。
⑦ 第2章6①に規定する実施した再生・細胞医療に関する成績の評価やホームページでの公表については、複数医療機関で連携して実施する必要がある。

2.搬送

① 搬送には、採取した細胞・組織の搬送と加工したものの搬送があるが、いずれも温度、気圧、無菌性のバリデーション、搬送時間の管理などが重要である。
② 両医療機関においては、これらの条件を含め、品質が確保されるよう適切に検証し、搬送体制についても明確に定めておくことが必要である。
③ 専用の搬送容器の開発や搬送の担当者の教育が前提となる。





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