03 医療機器等の滅菌消毒の業務について(令第四条の七第二号関係)


[通知] 病院、診療所等の業務委託について

第三 医療機器等の滅菌消毒の業務について(令第四条の七第二号関係)

1 受託者の業務の実施方法等
(1) 管理体制
受託責任者は、従事者の資質を向上させ、受託業務を的確かつ安全に行うため、従事者の研修計画を立てるとともに、新規採用の職員については、講習及び実習により、次に掲げる事項を含む十分な研修を行った後で業務を行わせること。
ア 滅菌消毒の意義と効果
イ 感染の予防と主な感染症
ウ 取扱う医療機器等の名称と機能
エ 滅菌消毒機器の名称と使用目的
(2) 医療機器等の消毒、洗浄及び包装
ア 消毒が行われる前の医療機器等を仕分する作業に従事する者は、ゴム手袋、マスク、帽子及びガウンなど適切な防護用具を着用するなど、医療機器等からの感染に十分に注意すること。
イ 消毒薬によっては、冷暗所に密封などを行って適切に保存するとともに、開封年月日及び有効期限を確認すること。
ウ 医療機器等の材質ごとに分別して洗浄を行い、すすぎの際は、純水、水道水等の清浄な水で行うこと。
エ 医療機器等は適切に包装してから滅菌すること。
(3) 医療機器等の滅菌
ア 滅菌機器が正常に作動していることを確認するため、滅菌時には、滅菌機器内の温度、ガス濃度、圧力等をチェックすること。
イ 滅菌機器内には乾燥させた医療機器等を入れ、滅菌機器の容積一杯に詰め込まないこと。
ウ エチレンオキシドガス滅菌の実施に当たっては、エアレーションを十分行うなど、医療機器等の安全性の確保及び作業環境の汚染防止に留意すること。
(4) 滅菌済の確認と表示
ア 化学的又は理学的インジケーターによる滅菌済の確認は、包装ごとにインジケーターを貼付・挿入し、滅菌を実施するごとに行うこと。さらに、インジケーターを包装したモニターパックを作成し、滅菌機器内の蒸気及びガスが通りにくい位置に置くことにより、滅菌機器内での滅菌条件を確認し記録すること。なお、当該インジケーターの変色条件を十分把握した上で確認すること。
イ 生物学的インジケーターによる滅菌済の確認は、滅菌機器ごとに少なくとも週の最初の機器使用時に行うこと。その際は、インジケーターを包装したモニターパックを滅菌器内の蒸気、ガスが通りにくいと考えられる所に数か所置くこと。
ウ 滅菌済の医療機器等には、包装ごとに、滅菌を行った施設の名称、滅菌を行った年月日、滅菌を行った機器及び機器ごとの実施順序が判別できるよう表示すること。
(5) 滅菌済の医療機器等の整理・保管
保管室にみだりに立ち入らないようにするため、その旨を表示すること。また、保管室で作業に当たる者は、専用のガウン、帽子及び靴を着用した上で保管室に入ること。
(6) 運搬
ア 医療機器等の運搬に用いる車両は、月二回以上消毒するなど車内の清潔を確保すること。
ただし、医療機関において使用済の医療機器等の運搬に用いる運搬台車等は、使用の都度消毒を行うなど清潔を確保すること。
イ 医療機器等の運搬は、専用の密閉性、防水性及び耐貫通性の容器(以下「運搬容器」という。)により運搬すること。
ただし、医療機関において滅菌消毒済の医療機器等を運搬する場合であって、滅菌バッグ等を使用することにより医療機器等が清潔に運搬されると認められる場合は、この限りでないこと。
ウ 使用済の医療機器等と滅菌消毒済の医療機器等は別の運搬容器に入れ、使用済か滅菌消毒済かを容易に識別できるように運搬容器に表示すること。
エ 感染症患者に使用した医療機器等は、消毒処理が施されていても他のものとは別の運搬容器に入れ、その旨を表示すること。
オ 運搬容器は、使用の都度消毒するなど清潔に保つこと。
カ 医療機関において滅菌消毒業務を行う場合は、交叉感染防止の配慮がなされた回収ルート、運搬ルート及びスケジュール等が確立されていること。
また、使用済の医療機器等を回収する作業に従事する者は、ゴム手袋、マスク、帽子及びガウンなど適切な防護用具を着用すること。
(7) 作業日誌等
ア 受取・引渡記録
受取・引渡記録には、作業年月日、委託元の名称、取扱い医療機器等の品目と数量及び作業担当者名が記載されていること。
ただし、医療機関において滅菌消毒業務を行う場合は、委託元の名称を省略して差し支えないこと。
イ 滅菌業務作業日誌
滅菌業務作業日誌には、作業年月日、使用滅菌機器、滅菌開始時刻、委託元別の医療機器等の品目と数量及び作業担当者名が滅菌を行うごとに記載されていること。併せて、滅菌機器内の時間、温度、ガス濃度、圧力等の記録が貼付され、滅菌の確認記録としては、モニターパック内の化学的又は理学的インジケーターが貼付され、生物学的インジケーターによる判定が記載されていること。
ただし、医療機関において滅菌消毒業務を行う場合は、委託元の名称を省略して差し支えないこと。
ウ 滅菌消毒機器保守点検作業記録
滅菌消毒機器保守点検作業記録には、滅菌消毒機器ごとに、常時及び定期的に行う保守点検作業について、保守点検項目、作業年月日及び点検開始・終了時刻並びに点検作業者名が記載されているとともに、保守点検業者による保守点検結果が記録されていること。
(8) 従事者の健康管理
労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)に基づき定期健康診断を実施するとともに、B型肝炎ウイルスの検査を新規採用時及び年一回以上行うこと。また、エチレンオキシドガス濃度の作業環境測定は六月以内に一回定期的に行うこと。

2 医療機関の対応
医療機関は、委託する業務に関する最終的責任は医療機関にあるとの認識の下に、滅菌消毒現場の課題を認識し、業務を委託する目的を明確にするとともに、受託者との必要な調整及び受託者に対する必要な指示を行うこと。

3 感染のおそれのある医療機器等の処理
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第二項から第七項までに規定する感染症の病原体により汚染されている医療機器等(汚染されているおそれのある医療機器等を含む。)以外の感染のおそれがある医療機器等は、医療機関内において感染予防のために必要な処理を行った上で、委託すること。
ただし、医療機関において滅菌消毒業務を行う場合であって、運搬容器による運搬体制及び防護服の着用等による作業体制を確立している場合は、この限りでないこと。

4 委託契約
医療機関が滅菌消毒業務を委託する場合には、その契約内容、医療機関と受託者との業務分担、経費負担及び次に掲げる事項を明確にした契約書を取り交わすこと。
① 受託者に対して、医療機関側から必要な資料の提出を求めることができること。
② 受託者が契約書で定めた事項を誠実に履行しないと医療機関が認めたときその他受託者が適正な滅菌消毒処理を確保する上で支障となる行為を行ったときは、契約期間中であっても医療機関側において契約を解除できること。
なお、契約文書については、別紙2―1又は2―2のモデル契約書を参考にされたいこと。