別添1 病院寝具類の受託洗濯施設に関する衛生基準


[通知] 病院、診療所等の業務委託について

(別添1) 病院寝具類の受託洗濯施設に関する衛生基準

第一 目的
この基準は、病院における寝具類(以下「寝具類」という。)の洗濯を受託する洗濯施設たるクリーニング所(以下「クリーニング所」という。)が遵守すべき管理のあり方等を定め、もって寝具類の洗濯における衛生の確保及び向上を図ることを目的とする。

第二 管理
1 クリーニング師の役割
(1) クリーニング業法に基づき必ず設置することとされているクリーニング師は、公衆衛生及び寝具類の洗濯処理に関する専門知識等を有する者であり、クリーニング所の衛生管理を行う上での実質的な責任者となるものであること。
(2) クリーニング師は、前記の趣旨を十分認識し、以下に掲げる施設、設備及び器具の衛生管理、寝具類の消毒、洗濯等の適正な処理等について常に指導的な立場からこれに関与し、クリーニングに関する衛生の確保、改善及び向上に努めること。
2 施設、設備及び器具の管理
(1) クリーニング所内は、毎日清掃し、その清潔保持に努め、必要に応じ補修を行い、衛生上支障のないようにすること。
(2) クリーニング所内は、細菌の汚染程度により、①汚染作業区域(受取場、選別場、消毒場)、②準汚染作業区域(洗い場、乾燥場等)、③清潔作業区域(仕上場、引渡場等)に分け、従業員が各区域を認識しうるようにすること。
(3) クリーニング所内は、ねずみ、昆虫が生息しないようにすること。
(4) クリーニング所内は、採光及び照明を十分にすること(照明器具は、少なくとも年二回以上清掃するとともに、常に適正な照度が維持されるようにすること。)。
(5) クリーニング所内は、換気を十分にすること。
(6) クリーニング所内外は、常に排水が良く行われるようにすること。
(7) 消毒、洗濯、脱水、乾燥、プレス及び給湯に係る機械又は器具類は、常に保守点検を行い、適正に使用できるように整備しておくこと。
(8) 消毒、洗濯、脱水、乾燥及びプレスに係る機械又は器具類、作業台、運搬・集配容器等で寝具類が接触する部分(仕上の終わった寝具類の格納設備又は容器を除く。)については、毎日業務終了後に洗浄又は清掃し、仕上の終わった寝具類の格納設備又は容器については、少なくとも一週間に一回以上清掃すること。また、これらについては、適宜消毒を行うこと。
(9) ドライクリーニング処理用の洗濯機等は、有機溶剤の漏出がないよう常に点検し、使用中もその漏出の有無について十分留意すること。
(10) プレス機、馬(アイロン仕上げに用いる下ごて)等の被布は、清潔な白布を使用し適宜取り替えること。
(11) 作業に伴って生じる繊維くず等の廃棄物は、専用容器に入れ、適正に処理すること。
(12) 清掃用具は、専用の場所に保管すること。
(13) 消毒前の寝具類を受け取る場合には、消毒を行うまでの間、感染の危険のある旨を表示した容器に密閉して収納しておくこと。この場合において、当該容器は、消毒前の寝具類のみを収納する専用の容器であること。
(14) 営業者(管理人を含む。以下同じ。)又はクリーニング師は、毎日クリーニング所の施設、設備及び器具の衛生全般について点検管理すること。
3 寝具類の管理及び処理
(1) 寝具類は、病院における消毒の有無及び感染の危険度に応じ適正に選別すること。
(2) 寝具類は、病院において消毒されたものを除き、以下の方法により適切に消毒を行うこと。
① 感染の危険のある寝具類については、(1)による選別後速やかに他の物と区分の上、本通知別添2の消毒方法により消毒を行うこと。
② ①以外のものについては、次のいずれかの方法によること。
ア 本通知別添2に定める消毒方法(ただし、洗濯がこれと同様の効果を有する方法によって行われる場合は、消毒しなくてもよい。)
イ 洗濯において消毒効果のある塩素剤を使用する方法
(ア) 洗濯は、適量の洗剤を使用して、六〇℃~七〇℃の適量の温湯中で一〇分間以上本洗を行い、換水後、遊離塩素が約二五〇ppmを保つよう塩素剤を添加の上、同様の方法で再度本洗を行うこと。
(イ) すすぎは、清浄な水を用いて、初回は約六〇℃の温湯中で約五分間行い、二回目以降常温水中で約三分間四回以上繰返して行うこと。この場合各回ごとに換水すること。
ウ 洗濯において消毒効果のある四塩化(パークロル)エチレンを使用する方法
四塩化(パークロル)エチレンに五分間以上浸し洗濯した後四塩化エチレンを含む状態で五〇℃以上に保たせ一〇分間以上乾燥させるか、又は、四塩化(パークロル)エチレンで一二分間以上洗濯すること。
(3) 寝具類の洗濯にあたっては、①感染の危険度の低い物から順に洗濯するなど適切な配慮を行うこと、②繊維の種類及び汚れの程度等に応じた適切な洗濯方法により行うこと、③ランドリー処理を行う場合には、適切に洗剤及び薬剤(漂白剤、酸素剤、助剤等)を選定して適量使用し、処理工程及び処理時間を適正に調整すること、④ドライクリーニング処理を行う場合には、適切に選定した有機溶剤に水、洗剤等を適量に混合したものを使用し、処理時間及び温度等を適正に調整すること。
(4) ランドリー処理における寝具類のすすぎは、清浄な水を使用して少なくとも三回以上行うこと。また、この場合、すすぎの水の入替えは、完全排水を行った後に行うこと。
(5) 寝具類のしみ抜き作業は、繊維の種類、しみの種類・程度等に応じた適当な薬剤を選定し、しみ抜き場等所定の場所で行うこと。
(6) 寝具類の処理に使用した消毒剤、有機溶剤、洗剤等が仕上げの終わった寝具類に残留することがないようにすること。
(7) 仕上げの終わった寝具類は、包装するか、又は格納設備に収納し、汚染することのないよう衛生的に取り扱うこと。
(8) 営業者又はクリーニング師は、クリーニング所における寝具類の処理及び取扱いが衛生上適切に行われているかどうかを常に確認し、その衛生確保に努めること。
4 消毒剤及び洗剤等の管理
(1) 消毒剤、洗剤、有機溶剤、しみ抜き薬剤等は、それぞれ分類して表示し、所定の保管庫又は戸棚等に保管すること。
(2) ランドリー処理において使用する水は、清浄なものであること。
(3) ドライクリーニング処理において使用する有機溶剤は、清浄なものとし、有機溶剤の清浄化のために使用されているフィルター等については、適宜新しいものに交換し、常に清浄な溶剤が得られるようにすること。
また、ドライクリーニング処理を行う場合には、洗浄効果を高めるため、溶剤中の洗剤濃度及び溶剤相対湿度を常に点検し、適正な濃度及び湿度の維持に努めること。
(4) 営業者又はクリーニング師は、各種の消毒剤、洗剤、有機溶剤、しみ抜き薬剤等の特性及び適正な使用方法について従事者に十分理解させ、その保管及び取扱いを適正にさせること。
5 従事者の管理
(1) 受託者は、常に従事者の健康管理に注意し、従事者が感染の危険のある疾患に感染したときは、当該従事者を作業に従事させないこと。
(2) 受託者は、従事者又はその同居者が一類感染症等患者又はその疑いのある者である場合は、当該従事者が治癒又はり患していないことが判明するまでは、作業に従事させないこと。
(3) 従事者は、感染の危険のある疾患に感染し、又はその疑いがある場合には、受託者又はクリーニング師にその旨を報告し、指示に従うこと。
(4) 受託者又はクリーニング師は、施設、設備及び器具の衛生管理、寝具類の消毒、洗濯物の適正な処理並びに消毒剤、洗剤、有機溶剤、しみ抜き薬剤等の適正な使用等について常に従事者の教育及び指導に努めること。
(5) 従事者は、移動による感染を予防するため、第二の2の(2)に掲げる各作業区域間移動に際しては、手洗い及び消毒を確実に行い、また、その移動回数は必要最小限にとどめること。

第三 自主管理体制
1 受託者は、施設設備及び寝具類の管理等に係る具体的な衛生管理要領を作成し、従事者に周知徹底させること。
2 受託者は、営業施設ごとに施設、設備及び寝具類を管理し、寝具類の処理及び取扱いを適正に行うための自主管理体制を整備し、クリーニング師及びその他の適当な者にこれらの衛生管理を行わせること。
3 クリーニング師等は、受託者の指示に従い、責任をもって衛生管理に努めること。