02 療養型病床群に関する事項


[通知] 医療法の一部を改正する法律の一部の施行について

第二 療養型病床群に関する事項

1 趣旨
療養型病床群制度は、人口の高齢化等に対応し、医療施設機能の体系化の一環として、人員配置、構造設備等において、主として長期にわたり療養を必要とする患者を収容するためにふさわしい療養環境を有する一群の一般病床を療養型病床群として許可するものであり、この許可は、療養型病床群を設けようとする病院の申請に基づいて行うものであること。

2 療養型病床群への収容
(1) 療養型病床群への収容が想定される患者の疾病としては、例えば高血圧症、脳血管疾患、慢性関節リウマチ、慢性腎疾患等の疾患が想定されるものであること。なお、療養型病床群への収容の適否は疾病名によって一律に規定されるものではなく、当該患者の病状が安定しているという担当医師の判断によるものであること。
(2) 療養型病床群への収容の適否の判断に当たっては、当該患者の入院期間によって一律に取り扱うことがあってはならないものであること。
(3) 療養型病床群は、長期にわたり療養を必要とする、病状が安定した患者を主に収容するものであるが、病床の利用状況等の事情からやむを得ず病状の安定していない患者を療養型病床群に一時的に収容することは差し支えないものであること。
(4) 療養型病床群に新生児を収容することは想定されていないものであること。
(5) 療養型病床群は、長期にわたり療養を必要とする患者を収容するための病床として制度化したものであり、入院加療の必要のない患者を長期にわたり収容することを目的としてはいないものであること。

3 許可
(1) 療養型病床群を有する病院としては、療養型病床群のみから成る病院と療養型病床群とそれ以外の病床を有する病院の両方が想定されるものであること。
(2) 療養型病床群に一時的に歯科の入院患者を収容することは差し支えないが、本来的に歯科の入院患者を想定した病床ではないため、歯科医業のみを行う病院に対する療養型病床群の許可は、想定されていないものであること。
(3) 療養型病床群を設けることに関して許可を与える際には、療養型病床群に係る病室及びその利用に係る施設(療養型病床群に係る病室に隣接する廊下、機能訓練室、談話室、食堂及び浴室)を平面図上明示させるとともに、当該療養型病床群が、新省令の本則のみの適用を受けるものであるか、改正省令附則に規定する経過措置の適用を受けるものであるか、識別できるようにするものとすること。
(4) 新省令第一九条の二に規定する療養型病床群を有する病院の人員配置は、病院全体としてのものであるが、制度の趣旨に鑑み、療養型病床群に収容されている患者の看護を担当するために、療養型病床群の入院患者の数が六又はその端数を増すごとに一人以上の看護婦及び准看護婦並びに療養型病床群の入院患者の数が六又はその端数を増すごとに一人以上の看護補助者が配置されていることを勤務表等から確認した上で許可を行う取り扱いとするものであること。

4 人員配置
(1) 新省令第一九条の二第一項第五号に規定する「看護補助者」とは、医師、看護婦等の指示に基づき、看護の補助として介護に当たる者を意味し、特段の公的な資格を必要とはしないものであること。
(2) 病院の実状により、看護婦又は准看護婦を看護補助者として計算することは、何ら差し支えないものであること。
(3) 療養型病床群を設ける許可を与える際の人員配置の算定基礎となる入院患者数及び外来患者数については、次により取り扱うものであること。
① 前年度の入院患者数及び外来患者数の平均値が算出可能な場合にあっては、入院患者数については、療養型病床群とそれ以外の病床のそれぞれの病床数により前年度の平均入院患者数を按分するものとし、外来患者数については、前年度の平均外来患者数をそのまま用いるものとすること。
② 前記①以外の場合にあっては、患者収容予定数等を推計値として用いるものとすること。

5 構造設備等
(1) 新省令第二〇条第一二号に規定する「必要な器械、器具」とは、訓練マットとその附属品、姿勢矯正用鏡、車椅子、各種杖、各種測定用具(角度計、握力計等)を想定しているものであること。
(2) 機能訓練室、談話室、食堂及び浴室は、療養型病床群以外の病床に収容されている患者と共用するものであっても差し支えないものであること。
(3) 患者の利用に支障がなければ、食堂等を談話室として用いても差し支えないものであること。
(4) 新省令第二一条第二項第一号に規定する「療養型病床群の入院患者同士や入院患者とその家族が談話を楽しめる広さ」については、具体的な面積を規定するものではないが、療養型病床群に収容されている患者数を勘案して適切な広さを確保するよう指導されたいこと。
(5) 新省令第二一条第二項第三号に規定する「身体の不自由な者が入浴するのに適したもの」とは、特殊浴槽を設けるか、又はそうでない場合には、通常の浴槽等に必要な工夫を施すことにより、入浴することが可能となるような構造とすることをいうものであること。
(6) 療養型病床群の廊下には適当な手摺りを両側に設けることが望ましいが、その際には、手摺りは廊下の幅に含めて差し支えないものであること。

6 特例許可に関する取り扱い
(1) 改正政令により、療養型病床群を有する病院においても、医療法第二一条第一項ただし書に基づく都道府県知事の許可(以下「特例許可」という。)を受けることにより、新省令第一九条の二に規定する人員配置の標準によらないことができるものであること。その際の許可準則は、平成五年二月一五日厚生省発健政第二〇号厚生事務次官通知による改正後の昭和三三年一〇月二日厚生省発医第一三二号厚生事務次官通知及び昭和五八年一月二〇日厚生省発医第一一号厚生事務次官通知(以下「五八年通知」という。)であること。
(2) 療養型病床群は、医療法(昭和二三年法律第二〇五号。以下「法」という。)第七条第二項にいうその他の病床の一群であることから、精神病床、伝染病床、結核病床及びらい病床については、療養型病床群としての許可はできないものであること。
(3) 療養型病床群が五八年通知にいう老人病棟の基準を満たすものであっても、同一の病棟に対して、療養型病床群としての許可と老人病棟としての特例許可とを重ねて行うことはできないものであること。
(4) 老人病棟の一部を療養型病床群に転換する場合においては、当該許可申請に併せて特例許可の変更許可申請を行うことが必要であること。
(5) 老人病棟をすべて療養型病床群に転換する場合にあっては、当該許可申請に際してその旨を申し出させるとともに、療養型病床群を設ける許可と併せて特例許可の取り消しを行うものであること。

7 経過措置
(1) 改正省令附則第二条に規定する「病床転換による療養型病床群」とは、平成五年四月一日の時点で既に開設許可を受けている病院の、平成五年四月一日の時点で現存する建物内の病床を転換して設ける療養型病床群をいうものであること。
(2) 平成五年四月一日の時点で現存する建物には、建設中の建物で、基礎工事に着手しており、基本的な構造設備(各室の間取り、柱の位置等)の変更が不可能な状態にあるものを含むものであること。
(3) 平成五年四月一日の時点以降に増築された部分については、当該部分が平成五年四月一日の時点で現存する建物と廊下等で連絡していても、平成五年四月一日の時点で現存する建物には含まれないものであること。
(4) 平成五年四月一日の時点で現存する建物を平成五年四月一日以降に取り壊して全面的に建て替えた場合にあっては、病床転換による療養型病床群として経過措置に係らしめることはできないものであること。なお、工期を分けて逐次建て替えた場合にあっても、建て替えの完了した部分については、経過措置に係らしめることはできないものであること。
(5) 病床転換による療養型病床群に係る病室の床面積の測定に当たっては、内法による測定でなく、図面上、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により、患者一人当たり六・〇m2以上の床面積が確保されていれば差し支えないものであること。
(6) 改正省令附則第五条に規定する「病床転換による療養型病床群を有する病院」には、平成五年四月一日以降に新築(既存の建物との間に連絡通路等が設けられていない場合をいう。以下同じ。)、増築又は全面的な改築がなされた部分の建物に療養型病床群を設ける病院は含まれないものであること。したがって、そのような病院の場合は、改正省令附則第五条及び第六条の規定は適用されないものであること。
(7) 改正省令附則第五条にいう「機能訓練を行うために十分な広さ」とは、内法による測定で四〇m2以上の床面積を必要とせず、機能訓練に支障がなければ差し支えない趣旨であること。
(8) 病床転換による療養型病床群を有する病院(改正省令附則第五条及び第六条の規定の適用を受けるものに限る。)が、療養型病床群を設けない建物について新築、増築又は全面的な改築を行う場合にあっては、当該部分に新省令第二〇条第一二号の規定に適合する機能訓練室並びに談話室、食堂及び浴室を極力設置するよう、指導されたいこと。