[通知] エンテロバクター菌による院内感染防止対策の徹底等について エンテロバクター菌について ① エンテロバクター菌が引き起こす主な感染症 癌末期や大手術後などで、感染防御能力の低下した患者などで、散発的な日和見感染症が報告されている。医療用具に関連する感染症としては、カテーテル留置時の尿路感染、人工呼吸器装着時の呼吸器感染、静脈内高カロリー輸液等に伴う、本菌に起因する敗血症等が報告されている。 ② 治療と予後 本菌は、ペニシリン系、第一世代セフェム系抗生物質に対し自然耐性を示す。また、第二、第三世代セフェム系、セファマイシン系抗生物質に対しては、これらの薬剤と接触することにより耐性を獲得することが知られている。本菌による敗血症例の死亡率は、2~5割程度とされている。 ③ 棲息場所、病原性等 ヒトの腸管内常在細菌叢を形成するグラム陰性桿菌で、自然界の土壌、水に存在するが、病院環境では、流しやその排水口など湿潤箇所からしばしば分離される。 ヒトに対する病原性は弱いが、Enterobacter cloacae(E. cloacae)、E. aerogenes、E. agglomeransなどが、感染防御能力の低下した患者において感染症の原因菌となりうる。 |