[通知] 医療機関等における院内感染対策について 国、自治体を含めた院内感染対策全体の制度設計に関する緊急特別研究 分担研究者 大久保憲 所属 NTT西日本東海病院外科部長 研究要旨 「医療施設における院内感染(病院感染)の防止について」 従来からの院内感染対策には、科学的根拠のない方法の採用や、過去の習慣により行われてきたことも多い。これらの感染対策について、適切なエビデンスをもとに改めて考えてみる必要がある。Evidence based precaution(EBP)とは、科学的な根拠に基づく予防策を指し、最も信頼できる根拠を把握したうえで、個々の状況を考慮した感染防止策を行うための一連の行動指針である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)などの薬剤耐性菌および新興感染微生物による院内感染が引き続き問題となっていることから、この機会に改めて一般的な院内感染に対する注意を喚起する目的で感染防止のための推奨事項を提示する。(付記:院内感染または病院感染という用語は、世界的には在宅ケアでの感染を含めて「医療関連感染 healthcare-associated infections;HAIs」と言われることが多い) 研究協力者 小林寛伊(NTT東日本関東病院:名誉院長) 倉辻忠俊(国立国際医療センター研究所:副所長) 荒川宜親(国立感染症研究所細菌第二部:部長) 切替照雄(国立国際医療センター研究所:部長) |