別添1


[通知] 人工心肺装置の安全使用について(周知徹底)

別添1

日本心臓血管外科学会会員各位
特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会理事長
医療安全管理委員会委員長

・人工心肺における安全装置設置基準

・人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドラインの確認と徹底のお願い
2009年9月10日開催の日本心臓血管外科学会理事会で,最近の人工心肺関連の医療事故に関して検討した結果,再発防止策(添付文書)を会員各位に安全情報として周知することを決定しました。さらに,2007年4月に日本体外循環技術医学会から発表された「人工心肺における安全装置設置基準」の勧告を会員各位に改めて周知し,必須項目(別記に抜粋)については迅速に導入し,安全装置の設置徹底を勧告します。また,本学会が中心となって作成しました,「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」はすでに学会ホームページから,リンク先(厚労省)を掲載していましたが,今回,このガイドラインのPDFを本会ホームページにアップロードしました。各施設で採用されている回路・機器の関連項目については,是非ともご一読の上,人工心肺の安全管理の徹底をお願いします。
なお,3学会構成心臓血管外科専門医認定機構とも協議の上,数年後には専門医研修指定施設の認定条件として,[臨床工学技士に加え体外循環技術認定士の資格所得者が1名以上常勤していること]が加わる見込みです。この資格は学会認定であり,これまでは東京でのセミナー参加には地域により費用負担に大きな差を生じていましたが,今後は関連学会の開催に合わせてセミナーを行うなど改善に努めますので,資格取得に向けて,臨床工学技士の方々への支援をお願いします。
人工心肺中の空気誤送事故の原因調査結果および再発防止策が公表され,複数の要因が判明しました。
このうち,使用機器,器材に関する重要な要因についてのみ抜粋し,下記に列挙します。

・静脈リザーバにレベルセンサーを用いていなかった。また,レベルの低下に気づいていなかった。

・吸引回路にカルディオトミーリザーバを別個に使用しており,通常はローラーポンプで吸引していたが,大動脈遮断時のみ壁吸引でカルディオトミーリザーバを陰圧にして回収していた。なお,この間は陰圧となったカルディオトミーリザーバと静脈リザーバの接続ラインはクランプしていた。
大動脈遮断解除時には,壁吸引をはずして,カルディオトミーリザーバと静脈リザーバの接続ラインのクランプを解除するところをしなかった。

・このためカルディオトミーリザーバの血液量(ベント血の回収など)が増加し,静脈リザーバが空となった。
以上を踏まえて,会員各位には下記のように勧告をします。


・ポンプシステムを複雑にするのは危険で、カルディオトミーリザーバはポンプ吸引だけで操作すべきである。

・壁吸引が必要な時は人工心肺とは独立したシステムとして(例えば、自己血回収装置など)使用する。 


日本体外循環技術医学会勧告:人工心肺における安全装置設置基準より必須項目抜粋

1.レベルセンサー(アラーム付き)を貯血槽に設置することを必須とする
4.送血圧力計は人工肺の手前で常時モニターすることを必須とする
4―5.フィルター入口圧は切り替えもしくは追加的にモニターできることを必須とする
4―6.フィルターと送血圧カニューレの間の圧を追加的にモニターできることを必須とする
5.遠心ポンプ送血では流量計の取り付けを必須とする
7.送血フィルターもしくはエアトラップの送血回路へ取り付けを必須とする
10.心筋保護液の注入圧力のモニターを必須とする

日本体外循環技術医学会勧告:人工心肺における安全装置設置基準





[通知] 人工心肺装置の安全使用について(周知徹底)