3 収益業務の実施


[通知] 特別医療法人について

第3 収益業務の実施


1 収益業務の範囲等

(1) 特別医療法人が行う収益業務については、次に掲げる要件を満たすものに限られるものであり、その規模、内容等についても、規則第30条の35第1項第3号の要件を満たすものであるほか、法の規定により設立された法人の行う業務として社会的に許容される範囲内のものであることに十分留意するものであること。
① 一定の計画の下に収益を得ることを目的として反復継続して行われる行為であって、社会通念上事業と認められる程度のものであること。
② 医療法人の社会的信用を傷つけるおそれがないものであること。
③ 経営が投機的に行われるものでないこと。
④ 当該業務を行うことにより、当該医療法人が開設する病院等の業務の円滑な遂行を妨げるおそれがないものであること。
⑤ 当該医療法人以外の者に対する名義の貸与その他不当な方法で経営されるものでないこと。

(2) 告示第2条各号に掲げる収益業務の範囲は、日本標準産業分類(平成14年3月7日総務省告示第139号)を参照されたいこと。

(3) (2)に掲げる業務には、当該医療法人の開設する病院等の業務の一部として又はこれに附随して行われるものは含まれないものとし、特段の定款変更等は要しないものとすること。
この場合、附随して行われる業務とは、次に掲げる業務であること。
① 病院等の施設内で当該病院等に入院若しくは通院する患者及びその家族を対象として行われる業務又は病院等の職員の福利厚生のために行われる業務であって、医療提供又は療養の向上の一環として行われるものであること。
したがって、病院等の建物内で行われる売店、敷地内で行われる駐車場業等は、病院等の業務に附随して行われるものとされ、敷地外に有する法人所有の遊休資産を用いて行われる駐車場業は附随する業務に含まれないものとして取り扱うものとすること。
② 病院等の施設外で当該病院に通院する患者を対象として行われる業務であって、当該病院等において提供される医療又は療養に連続して行われるものであること。
したがって、当該病院等への、又は、当該病院等からの患者搬送は、病院等の業務に附随して行われるものとされ、当該病院等以外の病院から同じく当該病院等以外の病院への患者搬送は収益業務とされること。
③ ①及び②において、当該法人が自らの事業として行わず、当該法人以外の者に委託して行う場合にあっては、当該法人以外の者が行う事業内容が、①又は②の前段に該当するものであるときは、当該法人以外の者への委託は附随する業務とみなし、①又は②の前段に該当しないものであるときは、附随する業務に含まれないものとして取り扱うものとすること。


2 関係法令の遵守
収益業務の実施に当たっては、医療法の規定に基づく定款変更等のみではなく、それぞれの行う業務に係る関係諸法令を遵守し、許可、届出等の手続きに遺漏がないように留意するものであること。
また、収益業務を定款等に記載する場合には、具体的に記載するものとすること。


3 区分経理
特別医療法人が収益業務を行う場合にあっては、収益業務から生ずる所得に関する経理と収益業務以外の業務から生ずる所得に関する経理とをそれぞれ区分して行わなければならないものとすること。
この場合の「所得に関する経理」とは、単に収益及び費用に関する経理だけではなく、資産、負債及び資本に関する経理についても同様にその区分経理が行わなければならないものとすること。


4 定款等の変更等
(1) 特別医療法人が新たに収益業務を行う場合にあっては、医療法第42条第2項の規定に基づき、当該医療法人の定款又は寄附行為の変更が必要であること。
(2) 定款又は寄附行為の変更認可の申請は、規則第32条第4項の規定により行うものとすること。


5 収益業務の実施に当たっての留意事項
収益業務の実施に当たっては、収益業務に多額の投資を行うことによって法人の経営状態が悪化したり、医療業務に必要な範囲を超えて収益業務の収入が確保されているなど法人の収益業務の継続が法人本来の業務である病院、診療所又は老人保健施設の経営に支障が生ずることのないよう、また、不公正取引を禁じる経済法規等に違反しているおそれがあるなどの社会的批判が惹起されないよう留意するものであること。例えば、収益業務の開始後概ね2年間を経過した後に、収益業務を行う特別医療法人の収益が、収益業務を行う前に比較し悪化した場合において、その収益悪化について、収益業務の開始以外の特段の理由が存在しない場合は、必要に応じ、法第64条第1項及び第2項、法第64条の2並びに法第66条の規定を適用することができるものであること。