1 改正の要点等


[通知] 特定医療法人制度の改正について

第1 改正の要点等

今般の特定医療法人に関する制度改正の概要は、次のとおりであること。


1 改正後の要件
改正後の要件は次のとおりとされたこと。なお、改正後の法令等の規定については、別添1を参照されたいこと。

(1)厚生労働大臣の証明書の交付を受けること
その法人の事業及び医療施設が医療の普及及び向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たすものである旨の厚生労働大臣の証明書の交付を受けること。

(2)役員等の構成
その法人の運営組織が適正であるとともに、その理事、監事、評議員その他これらの者に準ずるもの(以下「役員等」という。)のうち親族関係を有する者及びこれらと租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号)第39条の25第1項第2号イからハまでに掲げる特殊な関係がある者(以下「親族等」という。)の数がそれぞれの役員等の数のうちに占める割合が、いずれも3分の1以下であること。
なお、運営組織の適正性を保つ見地から、役員等の数は、理事について6名以上及び監事について2名以上としていること並びに評議員の数について理事の数の2倍以上としていること。

(3)役員等に対する特別の利益の供与
その設立者、役員等若しくは社員又はこれらの者の親族等に対し、施設の利用、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、役員等の選任その他財産の運用及び事業の運営に関して特別の利益を与えないこと。

(4)残余財産の帰属
その寄附行為又は定款において、その法人が解散した場合にその残余財産が国若しくは地方公共団体又は他の医療法人(財団たる医療法人又は社団たる医療法人で持分の定めがないものに限る。)に帰属する旨の定めがあること。

(5)法令違反
その法人につき法令に違反する事実、その帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装して記録又は記載をしている事実その他公益に反する事実がないこと(改正前:医療に関する法令に違反する事実その他公益に反する事実がないこと。)。
また、(1)の厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準について、租税特別措置法第39条の25第1項第1号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準(平成15年厚生労働省告示第147号)として、次のとおり定められた。
(ⅰ)その医療法人の事業について、次のいずれにも該当すること。
イ 社会保険診療(租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第26条第2項に規定する社会保険診療をいう。以下同じ。)に係る収入金額(労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)に係る患者の診療報酬(当該診療報酬が社会保険診療報酬と同一の基準によっている場合又は当該診療報酬が少額(全収入金額のおおむね100分の10以下の場合をいう。)の場合に限る。)を含む。)及び健康増進法(平成14年法律第103号)第6条各号に掲げる健康増進事業実施者が行う同法第4条に規定する健康増進事業(健康診査に係るものに限る。)に係る収入金額(当該収入金額が社会保険診療報酬と同一の基準によっている場合に限る。)の合計額が、全収入金額の100分の80を超えること。
なお、健康増進法第6条各号に掲げる健康増進事業実施者が行う同法第4条に規定する健康増進事業(健康診査に係るものに限る。)に係る収入金額は、次に掲げる健康診査等に係る収入金額の合計額とする。
a 健康保険法(大正11年法律第70号)第150条第1項の規定により保険者が行う健康診査
b 船員保険法(昭和14年法律第73号)第57条の2第1項の規定により政府が行う健康診査
c 国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第82条の規定により保険者が行う健康診査
d 国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)第98条の規定により国家公務員共済組合又は国家公務員共済組合連合会が行う健康診査
e 地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)第112条の規定により地方公務員共済組合又は全国市町村職員共済組合連合会が行う健康診査
f 私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)第26条の規定により日本私立学校振興・共済事業団が行う健康診査
g 学校保健法(昭和33年法律第56号)第2条の規定により学校において実施される健康診断又は同法第4条の規定により市町村の教育委員会が行う健康診断
h 母子保健法(昭和40年法律第141号)第12条又は第13条の規定により市町村が行う健康診査
i 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条の規定により事業者が行う健康診断若しくは労働者が受ける健康診断又は同法第66条の2の規定により労働者が自ら受ける健康診断
j 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第20条又は第26条の規定により保険者が行う特定健康診査及び第125条の規定により後期高齢者医療広域連合が行う健康診査
ロ 自費患者(社会保険診療に係る患者又は労働者災害補償保険法に係る患者以外の患者をいう。)に対し請求する金額が、社会保険診療報酬と同一の基準により計算されること。
ハ 医療診療(社会保険診療、労働者災害補償保険法に係る診療及び自費患者に係る診療をいう。)により収入する金額が、医師、看護師等の給与、医療の提供に要する費用(投薬費を含む。)等患者のために直接必要な経費の額に1.5を乗じて得た額の範囲内であること。
ニ 役職員一人につき年間の給与総額(俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与の総額をいう。)が3,600万円を超えないこと。
なお、役職員の給与等に関する職務内容及び年齢による加減算については撤廃された。
(ⅱ)その医療法人の医療施設が次のいずれにも該当すること。
イ その医療施設のうち一以上のものが、病院(医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院をいう)を開設する医療法人にあっては、a又はbに、診療所(医療法第1条の5第2項に規定する診療所をいう)のみを開設する医療法人にあってはcに該当すること。
a 40 人以上(専ら皮膚泌尿器科、眼科、整形外科、耳鼻いんこう科又は歯科の診療を行う病院にあっては、30 人以上)の患者を入院させるための施設を有すること。
b 救急病院等を定める省令第2条第1項の規定に基づき、救急病院である旨を告示されていること。
c 救急病院等を定める省令第2条第1項の規定に基づき、救急診療所である旨を告示され、かつ、15 人以上の患者を入院させるための施設を有すること。
ロ 各医療施設(病院、診療所及び介護老人保健施設のことをいう。)ごとに、特別の療養環境に係る病床数(介護老人保健施設にあっては、特別な療養室に係る定員数)がその医療施設の有する病床数(介護老人保健施設にあっては、定員数)の30%以下(改正前:20%以下)であること。
なお、平均料金の上限(5,000円)は廃止された。


2 手続等

(1)権限の移管等
特定医療法人の承認について、財務大臣から国税庁長官に移管され、特定医療法人の承認を受けようとする法人は、次の事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出しなければならないこととされた。(別添2参照)
① 申請者の名称及び納税地
② 代表者の氏名
③ その設立の年月日
④ 申請者が現に行っている事業の概要
⑤ その他参考になるべき事項
また、申請書には、次の書類を添付しなければならないこととされた。
イ その寄附行為又は定款の写し
ロ その申請時の直近に終了した事業年度に係る前記1(1)の厚生労働大臣の証明書
ハ 前記1(2)(3)(5)の要件を満たす旨を説明する書類
なお、医療法人が、承認の取消しを受けた場合にはその取消しの日、承認に係る税率の適用の取りやめの届出書を提出した場合にはその届出書を提出した日のそれぞれの日の翌日から3年を経過した日以後でなければ、申請書を提出することができないこととされた。
国税庁が定める申請の様式、手続等については、国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/)を参照するとともに、各国税局・税務署に問い合わせられたいこと。

(2)承認申請時の証明書の添付
従前より、医療施設に関する基準に該当している旨等について都道府県において証明書の発行がなされていたところであるが、今般、承認の申請を行うに際して、前記1(1)の基準を満たす旨の厚生労働大臣の証明書の交付を受ける手続が必要とされたことに伴い、当該証明書については、地方厚生局において交付することとしているが、都道府県衛生主管部局におかれては、前記1(ⅱ)イに該当している旨の証明等について、引き続き、御協力願いたいこと。また、承認手続の流れについては、別添2を参照されたいこと。

(3)各事業年度ごとの証明書の提出
各事業年度終了の日の翌日から3月以内に、当該事業年度において前記1(1)の基準を満たす旨の厚生労働大臣の証明書の交付を受けた上で、納税地の所轄の税務署を経由して国税庁に提出することとされたこと(当該事業年度終了の日において社会医療法人に該当する場合を除く。)。なお、当該証明書の交付手続については、前記(2)の承認申請時の手続に準じることとすること。
また、証明書を提出する際に、前記1(2)(3)の要件を満たす旨を説明する書類を併せて提出しなければならないこととされた。

(4)承認の取消し等
国税庁長官は、特定医療法人の承認を受けた法人について、前記1の承認を受けるための要件を満たさないこととなったと認められる場合には、その満たさないこととなったと認められる時までさかのぼってその承認を取り消すこととされた。なお、その満たさないこととなったと認められる時以後に終了したその医療法人の各事業年度の所得については、本制度は適用されない。
また、特定医療法人の承認を受けた法人は、その承認に係る税率の適用をやめようとする場合には、次の事項を記載した届出書を、納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出しなければならないこととされた。なお、その届出書の提出があったときは、その提出の日以後に終了する各事業年度の所得については、本制度は適用されない。
① 届出をする医療法人の名称及び納税地
② 代表者の氏名
③ 特定医療法人の承認を受けた日
④ 特定医療法人の承認に係る税率の適用をやめようとする理由
⑤ その他参考となるべき事項

(5)定款又は寄附行為の事前審査
特定医療法人の承認に際して、各国税局における事前審査が終了次第、速やかに所要の定款又は寄附行為の変更認可を与える必要があることから、都道府県医療法人担当部局におかれては、各国税局における事前審査と並行して、特定医療法人の承認が得られた場合に必要となる定款又は寄附行為の変更について事前審査を行われるよう御協力願いたいこと(別添2参照)。

(6)各地方厚生局・国税局からの照会への対応
各地方厚生局又は各国税局から都道府県衛生主管部局宛に、医療関係法令の遵守状況その他承認手続等に必要な事項について照会があった場合の適切な対応及び御協力方お願いしたいこと。

(7)医療関係法令等違反があった場合の対応
特定医療法人又は特定医療法人の開設する医療機関について、次のような医療に関する法令等について重大な違反事実があった場合には、その事情を当職まで報告方お願いしたいこと。厚生労働省医政局は、都道府県からの報告を国税庁に情報提供するものとする。
① 医療に関する法律に基づき特定医療法人又はその理事長が罰金刑以上の刑事処分を受けた場合
② 特定医療法人の開設する医療機関に対する医療監視の結果重大な不適合事項があり知事から改善勧告が行われたが是正されない場合
③ 特定医療法人の承認を受けているにも関わらず、定款に基金の規定がある場合、又は、毎会計年度終了後に提出される事業報告書等について、貸借対照表の純資産の部に基金が計上されている場合であって、医療法第64条第1項の命令が発せられた場合。
④ その他①、②及び③に相当する医療関係法令についての重大な違反事実があった場合
⑤ 医療法第30条の11の規定に基づく都道府県知事の勧告にもかかわらず病院の開設、増床又は病床種別の変更が行われた場合

(8)特定医療法人が社会医療法人の認定を受けた場合の取扱い
特定医療法人が会計年度の中途において新たに社会医療法人の認定を受けた場合にあっては、当該会計年度開始の日から当該認定を受けた日の前日までの期間について租税特別措置法施行令第39条の25第5項及び租税特別措置法施行規則(昭和32年大蔵省令第15号)第22条の15第2項の規定に基づく特定医療法人の承認要件を満たす旨を説明する書類を当該認定を受けた日から3月以内に、納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出しなければならないこと。
なお、当該認定を受けた日から租税特別措置法第67条の2第1項の規定による22%の法人税率の特例は適用されないことから、租税特別措置法施行令第39条の25第6項の規定に基づく特定医療法人の承認に係る税率の適用をやめるための届出書を当該認定を受けた日以後速やかに、納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出するものとすること。